KADOKAWAが発表した2025年3月期通期決算
2025年5月8日、株式会社KADOKAWAは2025年3月期の通期決算を公表しました。今回の決算では、サイバー攻撃の影響が懸念される中でも、売上高が前年比で7.7%増の2,779億円を記録し、成長領域がいくつかの事業を牽引しました。営業利益は167億円の赤字に転落し、減益となりましたが、期初及び直近の業績予想を上回る結果となりました。
サイバー攻撃の影響とその影響軽減策
KADOKAWAは、サイバー攻撃によって売上高で83億円、営業利益で47億円の減少が生じたとしています。しかし、この影響を考慮しない場合は、売上高は11%の成長、営業利益は16%の成長が見込まれています。このような逆境の中でも、成長を実現するための施策に注力していることが伺えます。
各セグメントの業績
出版・IP創出セグメント
出版・IP創出セグメントでは、新規IP数が増加し続け、企業全体の事業価値をさらなる拡大に寄与しました。サイバー攻撃が影響を及ぼしたものの、電子書籍、海外紙書籍、ライセンス収入の増加がこのセグメントを支え、全体として6.6%の成長を遂げています。一方で、国内紙書籍の減少による利害影響もあり、利益面では減益となりました。
アニメ・実写映像セグメント
この分野では、過去2期連続での増収増益が達成され、特にアニメ事業が強い強力なラインナップを展開しています。国内外向けの配信やグッズ、ライセンス収入が業績をけん引し、過去最高の売上高と営業利益を実現しました。今後も新作の増加が期待されており、さらなる成長が見込まれています。
ゲームセグメント
『ELDEN RING』を始めとするコンテンツが収益に大きく貢献するなど、ゲームセグメントも好調です。売上高・営業利益ともに高成長を達成していますが、2026年3月期には減益計画もあります。
Webサービスセグメント
Webサービスセグメントは、引き続きサイバー攻撃の影響を受けており、売上高で39.5億円、営業利益で21億円の減少が見込まれています。これを克服するための戦略が期待されています。
教育・EdTechセグメント
このセグメントでは、バンタンやN/S高の新規スクール・新規校が好調で、生徒数が順調に増加しています。高成長は今後も続く見込みで、教育分野での存在感を高めています。
2026年3月期の見通し
KADOKAWAは2026年3月期の見通しを明確にし、連結全体での増収増益を目指すとしています。特に、出版・IP創出、アニメ・実写映像、教育・EdTechの各セグメントにおいて成長が期待されており、今後の業績向上に期待がかかります。ゲーム事業においても、過去の実績を上回ることを目指す方針です。
最後に、KADOKAWAのグローバル戦略『グローバル・メディアミックス with Technology』に基づいて、IPの創出や価値の最大化に引き続き注力していく方針です。
詳細は、KADOKAWAの公式サイトにてご確認ください。
株式会社KADOKAWA公式サイト