医療機器新素材開発
2024-10-23 17:15:20

医療機器の新素材開発!九州大学との共同研究がもたらす革新

医療機器の新素材開発!九州大学との共同研究がもたらす革新



このたび、国立大学法人九州大学の先導物質化学研究所が協力し、新たな生体適合性を備えた水系ポリウレタン樹脂を開発しました。この新技術は、従来の医療機器コーティング材が抱えていた課題を解決し、医療分野の進展に寄与することが期待されています。

新素材の開発背景



現代の医療機器には、表面に生体適合性を持たなければならず、特に血液と接触する部分には抗血栓性が求められています。従来使用されていたPMEAやPMPCのコーティング材はそれぞれに欠点がありました。PMEAはその柔らかさから成型が困難であり、PMPCは水溶性であったため、表面からの溶出が問題視されていたのです。これらの課題に対し、九州大学の田中賢教授主導のもと、新しいアプローチが可能となりました。

中間水コンセプトの重要性



今回の開発の基礎には「中間水コンセプト」があります。これは、生体内の医療機器が持つ水和層の性質に着目したものであり、表面に強く結合した水分子と、自由に動ける水分子の中間に位置する性質を持つ水分子を利用しています。この考え方によって、より効率的な抗血栓性が可能となり、新素材の特性が大きく向上したのです。

生体適合性と抗血栓性の実現



新しく開発された水系ポリウレタン樹脂は、従来の材料と同程度の血小板粘着を抑制する性質を持ちつつ、ポリウレタン樹脂特有の力学特性を有しています。また、抗血栓性に加え、タンパク質の吸着を抑制し、細胞が接着しづらい特性を示すため、様々なユースケースに応じて利用範囲が広がることが期待されます。

今後の展望



今後は必要に応じた特性のカスタマイズや性能評価に取り組むと共に、業界へのサンプル提供を行い、ライフサイエンス分野を中心にこの新素材を広めていく方針です。また、再生医療や防汚材としての利用も視野に入れており、将来的な医療の進歩に寄与することを目指しています。

この新素材の開発は、医療機器の進化に大きく貢献する可能性を秘めています。医療の現場における新たな解決策となるよう、さらに研究を進めていくことが求められています。


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会社情報

会社名
第一工業製薬株式会社
住所
京都府京都市南区吉祥院大河原町5        
電話番号
075-323-5911

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