PFAS処理技術の革新
2025-07-28 10:34:04

環境問題に立ち向かう!PFAS処理技術が実証事業に選出

環境問題に立ち向かう新技術の誕生



環境省が認定した「PFOS等の濃度低減のための対策技術の実証事業」に、株式会社エマルションフローテクノロジーズ(EFT)とウシオ電機が共同で開発した汚染物質処理技術が採択されました。この技術は、PFAS(有機フッ素化合物)の高効率な回収と無害化を目指した一貫した処理プロセスの実証を行うもので、両社の連携により持続可能な技術が実現されつつあります。

PFASとは何か?


PFASは、撥水性と耐熱性に優れた性質から、食品包装、調理器具、消火剤、半導体製造などさまざまな分野で用いられてきました。しかし、その特性により分解が非常に困難で、環境や生態系に長期間残留することから「永遠の化学物質」とも呼ばれています。また、発がん性や免疫機能に対する影響が懸念されているため、日本国内でも製造と輸入が原則禁止されています。

環境省は、年々増加するPFASの検出に対処するため、水質基準を設定するなど、厳しい対策を求めています。これに伴い、PFASの効果的な処理技術の開発が急務とされています。

新技術の詳細


エマルションフローによるPFAS回収技術


EFTが提供する「エマルションフロー」は、日本原子力研究開発機構で開発された革新的な技術です。この技術は従来の方法に比べ、処理能力が4〜10倍高く、装置が75%以上小型化されます。EFTは、PFASを含む複雑な水に対し、低コストで効率的に分離・濃縮するプロセスを確立しました。この技術は、最大で1万倍以上の高濃度にすることが可能で、また、残渣を減少させ、焼却処理の負担を和らげ、CO2排出も削減します。

光分解技術による無害化


ウシオの光分解技術は、触媒や添加物なしでPFASを直接光照射する方法を採用しています。特定の波長の光を使い、水溶液中のPFASを短時間で99%以上分解することが可能で、フッ酸やCO2まで無機化できます。この新技術により、PFASの処理にかかるコストと環境負荷を大幅に削減できることが期待されています。

実証事業の展開


本実証事業では、京都府と熊本県の産業廃棄物処分場で採取された排水を対象に、技術を検証します。これにより、PFOSおよびPFOAの濃度を効果的に低減し、安全且つ環境に優しい形で無害化処分を目指します。今後もこの技術の社会実装に向けて努力を続けていきます。

将来の展望


EFTは、PFAS回収技術の特許を出願中で、既にプラント開発を進めています。今回の実証事業を通じて、工場排水だけでなく、様々な排水源への対応も可能とする技術の完成度を高めることでしょう。また、簡易設置型のコンテナ型プラントの開発やリースモデルの検討も進めており、実用化への道を着実に進んでいます。数年以内には、PFAS処理技術が広がり、環境保護に寄与することが期待されています。

会社情報


  • - 会社名: 株式会社エマルションフローテクノロジーズ
  • - 所在地: 茨城県那珂郡東海村白方7番地5
  • - 設立: 2021年4月5日
  • - 代表者: 鈴木 裕士
  • - 事業内容: 環境汚染物質回収を目的とした環境ソリューション事業など
  • - 公式サイト: EFT公式サイト

本技術に関するお問い合わせは、広報担当の橋本(メール: [email protected])まで。


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会社情報

会社名
株式会社エマルションフローテクノロジーズ
住所
茨城県那珂郡東海村白方7番地5
電話番号

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