皮脂RNAでパーキンソン病検査へ
2024-06-28 14:47:47

皮脂RNA解析でパーキンソン病の新たな検査方法に期待!順天堂大学と花王が特異的なRNA変化を特定

皮脂RNA解析でパーキンソン病の早期診断に光明!



順天堂大学医学部神経学講座と花王株式会社の共同研究グループは、パーキンソン病患者の皮脂中に含まれるRNAを分析した結果、同病に特異的なRNA発現変化を発見しました。この画期的な発見は、従来の複雑な検査に代わる、簡便で非侵襲的なパーキンソン病検査方法の開発に繋がる可能性を秘めています。

パーキンソン病は、手足の震えやこわばり、動作の遅延といった運動症状に加え、認知機能の低下も引き起こす神経変性疾患です。高齢化社会においてその患者数は増加傾向にあり、早期診断と適切な治療が重要となります。しかし、現行の診断方法では専門的な検査が必要で、患者の負担が大きいという課題がありました。

今回の研究では、花王が独自に開発した「皮脂RNAモニタリング®技術」を用いて、あぶらとりフィルムで採取した顔の皮脂からRNAを抽出し、網羅的に解析を行いました。その結果、パーキンソン病患者では、健常者と比べて、ミトコンドリア関連遺伝子のRNA発現量が上昇していることが明らかになりました。

さらに、パーキンソン病と類似した症状を示す多系統萎縮症や進行性核上性麻痺といった類縁疾患との比較でも、ミトコンドリア関連遺伝子のRNA変化はパーキンソン病に特異的に見られることが確認されました。つまり、皮脂RNAを分析することで、これらの疾患を区別できる可能性を示唆しています。

この発見は、パーキンソン病の早期診断だけでなく、類縁疾患との鑑別診断を容易にする可能性を秘めています。今後、この技術を用いた新しい検査方法の開発が進められれば、パーキンソン病患者への負担軽減と治療効果の向上に大きく貢献することが期待されます。

皮脂RNAモニタリング®技術とは?



皮脂RNAモニタリング®技術は、花王が独自に開発した技術で、あぶらとりフィルムで採取した皮脂からRNAを抽出して分析する技術です。この技術は、非侵襲的で簡便なため、患者への負担が少なく、様々な疾患の診断やモニタリングに活用できる可能性を秘めています。

今後の展望



今回の研究成果は、パーキンソン病の新たな検査方法開発に向けた重要な一歩となりました。今後、更なる研究を重ね、より正確で簡便な検査方法の開発を目指していく予定です。この技術が実用化されれば、パーキンソン病患者の生活の質向上に大きく貢献することが期待されます。


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