関電工、マイボトル利用促進プログラムでプラゴミ削減へ!
環境問題への意識の高まりとともに、プラスチックごみ削減は喫緊の課題となっています。この問題解決に向けて、企業による様々な取り組みが注目されています。今回注目するのは、株式会社関電工が導入した「マイボトル利用促進プログラム」です。
象印、サトーHD、地球研との共同研究
このプログラムは、サトーホールディングス株式会社(サトーHD)、象印マホービン株式会社(象印)、そして総合地球環境学研究所(地球研)との共同研究によって開発されました。世界的な社会課題であるプラスチックごみ削減に対し、マイボトル利用の定着を目指した取り組みです。
サトーHDの本社では、年間約25,000個ものプラスチックカップが使用され、マイボトル利用率はわずか2%でした。この現状を打破するため、象印製のマイボトル洗浄機を設置し、従業員200人を対象とした実証実験を実施。その結果、効果的なプラスチックごみ削減を実現したことから、関電工への導入に至りました。
関電工での導入と期待される効果
関電工の本社オフィスには約1,000人が勤務しており、年間約36万本のペットボトル飲料が消費されています。再生処理が行われていますが、廃棄物も発生するため、より積極的な削減策が必要でした。
「マイボトル利用促進プログラム」導入によって、関電工はオフィス内のプラスチックごみ削減とCO₂排出量削減を同時に行うことを目指します。プログラムの効果は実証実験で既に証明されており、関電工は持続可能な社会の実現に大きく貢献できると期待しています。
プログラムの概要:RFIDタグと専用アプリで可視化
このプログラムの核となるのは、RFIDタグと専用アプリです。マイボトルにRFIDタグを搭載することで、個別の識別と洗浄回数の記録が可能になります。RFIDリーダー搭載のマイボトル洗浄機が洗浄時にRFIDを読み取り、データは専用アプリに蓄積されます。
アプリでは、個人と全体の「ペットボトル削減数」と「CO₂削減量」を数値で確認できます。さらに、削減量に応じてアプリ内の砂漠に森が育ち、動物が登場するゲーム性も取り入れられています。
この視覚的なフィードバックにより、従業員の環境意識向上とマイボトル利用の継続的な定着を目指します。
東京都オンラインシンポジウムでの紹介
関電工へのプログラム導入は、東京都が開催したオンラインシンポジウム「オフィスにおけるプラスチック資源循環ソリューション」で紹介されました。東京都は、オフィスにおけるプラスチック資源循環の促進を目指しており、関電工の取り組みは先進的な事例として注目されています。
各社の取り組み
関電工は、電気設備工事などを中心とした総合設備企業として、社会インフラ整備に貢献しています。脱炭素化やBCP分野にも注力しており、今回の取り組みもその一環です。
サトーHDは、自動認識技術を用いたソリューションを提供するグローバル企業です。RFID技術の活用により、本プログラムの基盤を支えています。
象印マホービンは、生活家電メーカーとして、マイボトル洗浄機の提供を通じて本プログラムをサポートしています。
地球研は、地球環境問題に関する研究機関として、科学的な知見を提供し、本プログラムの開発を支援しました。
まとめ
関電工による「マイボトル利用促進プログラム」の導入は、企業による環境配慮の取り組みの新たな一歩を示しています。RFID技術とアプリによる可視化は、従業員の行動変容を促進し、持続可能な社会の実現に貢献すると期待されます。今後、他の企業への導入拡大にも期待が高まります。