金沢工業大学SDGs推進センターが手掛ける「THE SDGs アクションカードゲームX(クロス)」のブータン版が完成しました。このプロジェクトは、国連食糧農業機関(FAO)の支援を受けて進められ、SDGsに関する課題を養成する新たな教材として注目されています。
プロジェクトの始まりは2023年12月にFAOとの契約締結からで、キーワードは農業と食料システムの変革です。イベントの舞台は8月12日の国際青少年デーに合わせてブータンで開催された「National Youth Symposium」となり、約100名の参加者がこの新しいアクションカードゲームを体験しました。
このゲームの目的は、ブータンの若者に対して、持続可能な開発目標(SDGs)に取り組むための知識とアイデアを提供することです。ゲームはプレイヤーが提示された課題に対し、解決策を考え出す内容になっており、実際に行われるワークショップでは積極的な意見が交わされました。参加者からは、「ブータンの食料・農業に関連するリアルな課題に対して、インタラクティブな方法で学べる機会を得た」との声が寄せられました。
ブータン版X(クロス)は、既存のカードゲームを基にしつつも、ブータン特有の農業文化や食に関する課題を反映した新しいカードを追加しています。これにより、地元の状況に即した教育ツールとしての役割を担うことが期待されています。
金沢工業大学のSDGs推進センター長である平本 督太郎教授がこのプロジェクトを統括し、彼の指導のもと、大学生や院生計12名が実際にプロジェクトへ参加。カードのデザインや内容については、定期的なオンラインミーティングを行い、ブータンのワールド・フード・フォーラムのメンバーとも連携して進めました。
この活動を通じて期待される効果は多岐にわたります。参加者はカードゲームを通して、SDGsの達成への具体的なアプローチを学ぶことができ、将来的にはカリキュラムに組み込まれることで、より多くの若者へ教育的な効果をもたらすことが見込まれています。また、ゲームはAndroidアプリとしても提供され、手軽にアクセスできるのも魅力です。
今後、金沢工業大学SDGs推進センターは、オンラインでのファシリテーター研修を通じて、ブータン国内の教育現場や農業関係者とパートナーシップを築く予定です。加えて、他国や地域への展開も計画されています。これにより、持続可能な開発に向けたグローバルな知識普及が進むことが期待されます。
この新たなプロジェクトは、SDGsの実現に向けた若者の積極的な参加を促し、コミュニティの農業や食料問題への意識を高める良い機会になっています。金沢工業大学は引き続き、持続可能な開発目標の達成に向けて様々な取り組みを推進していくことを表明しています。