筑波大の新拠点
2023-07-05 15:54:49

筑波大学が開発研究の新しい拠点を設置しイノベーション促進へ

筑波大学が新たな研究開発拠点を設置



日本の経済は“失われた30年”の影響で成長が鈍化し、現在のGDPは世界3位とはいえ、その競争力は低下しています。IMDによる世界競争力ランキングを見ると、日本は1989年から1992年には1位だったものの、2022年には34位にまで後退しています。この背景には、研究開発から新しい産業を生み出すイノベーションの不足が指摘されており、その打開策が求められています。

このような状況を受けて、筑波大学は新たな挑戦として「IMAGINE THE FUTURE. Forum」(略称:ITF.F)事業を立ち上げることとなりました。このプロジェクトの目的は、企業や社会が抱える課題を解決するために、学際的な研究を実施し、その成果を社会実装へと結びつけることです。筑波大学の強みである総合的な研究力を武器に、産学連携を推進する画期的な拠点が誕生します。

ITF.F事業の特長



ITF.F事業の主な特徴として、以下のポイントが挙げられます。

1. 資金調達:筑波大学は大学債を発行し、200億円の資金を用いてITF.F施設を建設します。
2. B2A研究所の設置:ITF.F施設内に企業の研究所を設け、企業のニーズを基にした研究を実施します。この研究は、ビジネス化を視野に入れ、B2AからB2B(「B2A2B」)のフローで進められます。
3. 実証実験スペースの提供:ドローンなどの実証実験が可能な専用スペース(縦横100m×70m、高さ22m)があり、迅速な実験が行えるため、研究結果をすぐに生かせます。
4. 企業の利便性:企業はITF.F施設に入居することで高額な固定資産を負担することなく、筑波大学の資源を活用した共同研究を行えます。
5. 研究力の強化:企業との協力により、筑波大学もニーズに基づいた開発研究を進めることで研究の質を高めていくことが可能です。

B2A Modelの進化



本事業の「B2A」は「Business to Academia」の略で、企業が大学キャンパス内で共同研究を行うことを指します。このプロセスをさらに進化させ、「B2A2B」として、企業や社会の課題を筑波大学のリソースを活用して解決し、最終的には事業化を目指します。

これからの取り組み



筑波市が進めるスーパーシティ構想とも連携し、地域の新たな発展を視野に入れています。2027年の竣工を目指す一方で、すでに10社が参加意向を示しており、ニーズに応じた研究開発がスタートします。

筑波大学が進めるITF.F事業は、単なる研究施設にとどまらず、企業や社会のニーズに応える新しい産業の創出へとつながる大きな一歩となるでしょう。今後の展開に期待が寄せられています。

会社情報

会社名
国立大学法人筑波大学
住所
茨城県つくば市天王台1-1-1
電話番号
029-853-2063

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