生和会グループ、AI技術で医療従事者の負担軽減
生和会グループは、医療現場の効率化を目的に、全国のグループ病院で独自に開発したAIアプリ「S-BOT」と診療支援ツール「medimo」を導入することを発表しました。この取り組みは、医療従事者の業務負担を軽減し、医療の質を向上させることを狙っています。
「S-BOT」の特長と開発背景
「S-BOT」は、グループ内のAI/DX推進部署であるSDX研究所が医療現場での実際のニーズに基づいて開発されたアプリです。医療従事者が抱える業務の負担—特に間接業務—を軽減するため、文章作成支援や情報整理、文献検索、業務ナレッジの共有などの機能を備えています。
特に、回復期リハビリテーション病院特有の業務に焦点を当て、必要な機能を特化開発しています。さらに、医療従事者からのフィードバックをもとに継続的にアップデートを行い、実際の業務で効果的に活用できるAIアプリの構築を目指しています。
「medimo」がもたらす成果
映像生成AIを基盤にした診療支援ツール「medimo」は、2023年から生和会グループが検証を重ねてきた結果、わずか3ヶ月で2,000時間以上もの業務削減効果が確認されました。この実績はリハビリ専門職の記録作成時間を約66%短縮し、主観的な負担感を約50%軽減したことに起因しています。
このように、医療従事者が患者に向き合う時間を増やせるようになったという現場の声が多く挙がっており、AIソリューションの有効性が明らかとなりました。
全国へのAI導入体制の強化
生和会グループは全国の病院にAIを導入するにあたり、SDX研究所の体制を強化しました。関西に5名、中国に3名、関東に1名の計9名のエリア担当者を配置し、各病院におけるAIの運用設計や教育研修、カスタマイズ支援を行います。これにより、AIを医療現場でより効果的に活用できる体制を構築しています。
AI業務改善委員会の設立
全ての病院に「AI業務改善委員会」を設け、多様な職種(医師、看護師、リハビリ専門職、事務職)が参加します。この委員会は成功事例やノウハウを共有し、病院間での相互支援を促進する“AI活用ネットワーク”を形成します。
SDX研究所の使命
SDX研究所は、生和会グループのDX推進部署として、信頼性の高いAIの運用を通じて医療従事者の負担を軽減し、共同の意思決定に基づく人中心の医療を推進することを使命としています。
この取り組みを通じて、医療業界全体がAI技術を活用し、より効率的で質の高いサービスを提供できるようになることを期待しています。今後も生和会グループの活動に注目です。