東京大学がリベロセラに追加出資
東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(以下、東大IPC)が、バイオ創薬企業リベロセラ株式会社に対し、2億円の追加出資を決定しました。これは、Gタンパク質共役型受容体(GPCR)を標的とした画期的な医薬品の開発を目指すリベロセラにとって大きな支援となります。今回の出資は、Taiho Ventures, LLCやMP Healthcare Venture Management, Inc.との共同であり、総額7.2億円の資金が集まりました。
リベロセラの背景
リベロセラは2018年の設立以来、GPCRという難解な膜タンパク質をターゲットにした医薬品の開発に取り組んでいます。GPCRはその立体構造の複雑さや発現の難しさから、医薬品創出が困難とされており、リベロセラはその克服に成功しつつあります。同社は抗体医薬品や抗体・薬物複合体の開発に注力し、最近では治療薬候補とすることが可能な新薬の研究を進めています。
東大IPCの役割
東大IPCは、2021年にリベロセラに対して初めての出資を行い、その後も同社の研究を強力に支援しています。東京大学名誉教授であり、理化学研究所特別招聘研究員である横山茂之博士の無細胞膜タンパク質発現技術を基にしたさまざまな研究の支援を通して、持続可能なイノベーションを生み出すための環境を整えています。今回の追加資金により、リベロセラは創薬研究の加速を図り、治療薬の可能性をさらに探求していくことが期待されます。
リベロセラのビジョン
リベロセラの代表取締役、菅家徹氏は「今回の出資を非常に喜ばしく思っており、研究開発を通じて1st-in classの治療薬を創出できると信じています」とコメントしています。リベロセラはこの資金を活用し、細胞や動物モデルを使って医薬品候補の治療効果を検証し、非臨床開発から初期臨床開発までをスムーズに進めるための体制を強化していくとしています。
また、東大IPCのパートナーである大堀誠氏も「リベロセラの研究が革新的な医薬品を生み出すことに確信を持っており、米国のベンチャーキャピタルとともにこのプロジェクトに関わることを誇りに思います」と述べています。
持続可能なイノベーションへの貢献
協創1号ファンドは、東京大学を中心に持続可能なイノベーションエコシステムを構築することを目的としています。これまでに6つのベンチャーキャピタルへの出資や、30社以上の東京大学関連スタートアップへの直接投資を行い、事業化への道を支援しています。リベロセラへの追加出資もその一環であり、長期的な視点からバイオテック・ディープテックスタートアップへの支援を行います。
今後も東大IPCは、東京大学周辺のイノベーションを加速し、アカデミアの研究成果を活用したスタートアップの創出や育成を進める方針です。これにより、世界のスタートアップ創出拠点の一つとしての役割を果たすことを目指しています。
{「リベロセラ株式会社について」}
リベロセラは膜タンパク質を標的とした創薬および関連サービスを提供している企業で、2018年に設立されました。所在地は東京都中央区日本橋堀留町1-9-10です。
{「東京大学協創プラットフォーム開発株式会社について」}
日本でのオープンイノベーションを推進する投資事業会社で、スタートアップのエコシステムの発展を目指しています。設立は2016年、所在地は東京都文京区本郷7-3-1です。