コーヒー文化の変革
2015-09-01 11:00:16
進化するコーヒー文化を支える味覚科学の挑戦
進化するコーヒー文化を支える味覚科学の挑戦
近年、コーヒーの人気が急速に高まる中、国内でも多くのコーヒーメーカーが登場しています。どうせ飲むなら美味しいコーヒーを楽しみたいと思うのは当然のこと。そのためには、自分好みの味を見つけることが重要です。そんな中、慶應義塾大学から生まれたAISSY株式会社が「コーヒーメーカーの違いによる味覚分析」という興味深い研究を発表しました。この研究は、主要なコーヒーメーカーブランドによる味の傾向を科学的に解析するものです。
研究の背景
コーヒーショップの増加や、様々な飲み方による新たなコーヒー文化が日本に浸透しています。喫茶店や専門店だけでなく、自宅でも本格的なコーヒーを楽しむことができる商品が次々と登場しています。しかし、自宅で淹れるコーヒーの味がメーカーによってどのように変わるのかを理解している方は少ないかもしれません。この研究は、コーヒーの味覚がメーカーモデルによってどのように変化するのか、その相違点を明らかにし、自分に最適なコーヒーを見つける手助けを目的としています。
研究方法と実施内容
AISSYは、コーヒーメーカー4社(象印、タイガー、パナソニック、メリタ)を選定しました。それぞれの機器を使用して、同じコーヒー豆と水を元にコーヒーを抽出し、味覚センサーによって基本の5味(酸味、塩味、苦味、旨味、甘味)を評価しました。このセンサーは、先味と後味を定量化することが可能で、味わいを数値化することに成功しました。
実験条件としては、浄水ではなく水道水を使用し、全機器を湯通ししました。コーヒー豆は同一のものを使用し、抽出から分析開始まで約3分の時間を取るという条件で進められました。
研究結果
結果は非常に興味深いものでした。コーヒーの基本5味がバランスよく含まれていると、コクが深く感じられることが分かりました。逆に、味わいの数値が少ないと、あっさりとした印象になります。特に「苦味」に関しては有意な差が見られ、メーカーによって「旨味」「甘味」「酸味」の違いは明確でした。
メーカー別の味覚分析
1. 象印『EC-KS50-RA』
- 酸味:1.65、 苦味:2.65、 味の強さ:3.88
- 特徴:酸味も苦味も控えめで、甘味が強め。さっぱりとした味わい。
2. タイガー『ACT-A040』
- 酸味:1.75、 苦味:2.78、 味の強さ:3.92
- 特徴:酸味と苦味のバランスが良い。
3. パナソニック『NC-A56-K』
- 酸味:1.70、 苦味:2.85、 味の強さ:3.99
- 特徴:酸味と苦味の差が顕著で、味がしっかりしている。
4. メリタ『NOAR SKT54-5-H』
- 酸味:1.90、 苦味:2.95、 味の強さ:4.18
- 特徴:酸味と苦味が特に強く、最もコクがある。
まとめ
この研究は、コーヒー愛好者が自分の好みに合ったコーヒーを見つける手助けとなるでしょう。また、味覚分析の技術を活用することで、今後さらに多様な商品の開発が期待されます。コーヒーの世界は奥深く、各社の工夫により新たな発見が待っています。自分のお気に入りの一杯を見つける旅が、より楽しみになるでしょう。
会社情報
- 会社名
-
AISSY株式会社
- 住所
- 東京都港区三田3-1-23メザキビル3F
- 電話番号
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