秋期企画展「東京をまもった人工放水路と生きものたち」開催のお知らせ
埼玉県立川の博物館では、2023年9月21日から12月1日まで、荒川放水路の通水100周年を記念した特別展示「東京をまもった人工放水路と生きものたち」を行います。この企画展では、人工的に作られた荒川放水路の歴史やその役割、そしてそこで生息する多様な生きものたちに焦点を当てています。
荒川放水路の歴史の数々
埼玉県の主な水系である荒川は、1910年に発生した「明治43年の大洪水」により、東京の下町が大きく浸水しました。この経験を基に、洪水の対策を講じるために新たな河道として整備されたのが「荒川放水路」です。今回の展示では、その建設の背景、経緯、そして通水が始まった100年前から現在に至るまでの影響をパネル展示で紹介します。
汽水域で生きる魚たち
荒川の最下流にあたる部分は海水の影響を受ける汽水域で、この地域では多様な魚が見られます。特に、回遊魚であるマルタやニホンウナギ、さらには海水魚のボラやスズキもこの場所で観察されます。展示では、オイカワやタモロコなどの淡水魚を樹脂標本で、これらの海水魚をはく製として紹介し、様々な魚類の生態に迫ります。
河川敷に棲む生物たち
荒川の河川敷も多くの生物にとっての棲家です。特に、都市化した場所でも環境に適応する生きものたちが生息しています。展示には、ハヤブサやカモメ、カワウなどの鳥類のはく製、またタヌキやアオダイショウといった哺乳類や爬虫類も紹介されています。さらには、河川敷の草地やヨシ原の生態系を知る良い機会です。
荒川河口の自然
荒川河口には、観覧車や水族館がある葛西臨海公園が位置し、現在、干潟や湿地からなる地域が広がっています。ここは多くの生き物の宝庫であり、2018年にはラムサール条約湿地にも登録されました。展示では干潟に住むカニや貝、またそれらを捕食する鳥類の標本も見ることができます。
特別プログラムと関連イベント
展示会に合わせて、環境美化活動や乗船体験といった特別イベントも企画されています。たとえば、「高麗川河川敷クリーン作戦」では、河川敷でのゴミ拾いを通じて環境問題について学ぶことができます。また、「あらかわ号乗船体験」では、荒川放水路を巡視船で巡る貴重な体験が用意されています。展示会を観覧するだけでなく、参加型のプログラムに参加してみるのも楽しみ方の一つです。
まとめ
埼玉県立川の博物館では、この秋期企画展を通じて、荒川とその周辺の自然環境、そして生き物たちについて新たな発見をする機会を提供しています。何気ない日常の中で水と自然の大切さを感じ、学べる貴重な展覧会に足を運んでみてはいかがでしょうか。
詳しい情報は
埼玉県立川の博物館の公式サイトをご覧ください。