学童と保育園の連携が生む新しい働き方を探る

近年、学童職員の人手不足が深刻な問題となっています。厚生労働省のデータによると、全国の学童職員の平均給与は常勤で285万円、非常勤で146万円と、全産業の平均の426万円に対し約140万円も下回ります。このような給与の低さが原因で、多くの人材が流出しているのが現状です。特に、学童職員の勤務時間が午後2時から午後6時までと制約があるため、フルタイムの仕事になりにくく、若手職員の確保が難しいのです。

すれ違う働き方の解消を目指して

この状況を打破するために、岡山県の【株式会社マイスタイル】が新たに導入したのが「ハイブリッド勤務」です。これは、学童が閉所している午前中に保育園で働き、午後から学童勤務へ移るというスタイルです。この制度により、職員はフルタイムでの勤務が可能となり、就業条件や給与の改善が期待されています。2023年4月からは、すでに4名の職員がこの新しい働き方を実践しているとのことです。

実際の働き方の紹介

今回は、実際にこのハイブリッド勤務を経験している2名の職員の働き方を見てみましょう。

Aさんのケース

Aさんはもともと学童施設でパートタイムとして勤務していましたが、マイスタイルが運営を開始した際にフルタイム勤務への転換を希望しました。現在は午前中に保育園で働き、午後は学童での勤務を行っています。このようにして、フルタイムの勤務時間を確保することができました。

Bさんのケース

Bさんは、入職以来保育園でフルタイムの保育士として勤務していました。放課後児童クラブの受託運営に伴い、スキルアップを目指して保育園と学童の兼務を希望しました。

1日のスケジュール

- 9:00: 保育園に出勤し、朝の受け入れや主活動（製作や室内遊びなど）を行います。
- 11:30: 給食。自園で調理した温かい給食を園児と一緒にいただきます。
- 12:00: 休憩。
- 13:00: 午後の業務の準備。
- 14:00: 保育園から学童へ移動し、職員ミーティングを行います。
- 15:00: 児童の受け入れ、おやつ提供、宿題サポート、自由遊びを行います。
- 18:00: 終業。

株式会社マイスタイルについて

株式会社マイスタイルは、岡山県内に15の保育施設を運営している企業です。その中には認可施設や企業主導型施設、認可外施設が含まれています。また、ベビーシッターやイベント保育といった多様な子育て支援サービスも提供しています。2023年4月からは、倉敷市から委託を受け放課後児童健全育成事業「老松ふれあいクラブ」を運営しています。