日本規格協会がボリビアと協力覚書を締結
2025年1月16日、一般財団法人日本規格協会(JSA)は、一般社団法人電池サプライチェーン協議会(BASC)およびボリビアの標準化機関、ボリビア標準化品質研究所(IBNORCA)と標準化に関する協力の覚書を締結しました。これにより、双方はリチウム関連の国際標準化活動や情報の共有、人材の交流といった幅広い連携を推進していくことになります。
リチウム需要の急増とカギとなる国際標準化
前提として、近年の電気自動車や再生可能エネルギー分野の急速な成長により、リチウムイオン電池の需要は飛躍的に増加しています。このため、リチウム資源の持続可能なサプライチェーンを確立することが国際的な課題となっています。また、設定されたルールや基準がなければ、リチウム産業の成長は難しいのが実情です。
国際標準化機関(ISO)は、2020年にリチウムに関わる国際規格の開発を行う専門委員会、ISO/TC 333を設立しました。この委員会には、ボリビアや日本を含む32ヶ国が参加し、リチウムの採掘や加工、リチウム化合物の製造にかかる国際的規格の整備を進めています。
JSAの今回の覚書締結は、ISO/TC 333における日本の共同国内審議団体としてのBASCの役割を強化し、リチウム産業の国際標準化を加速させるためのものです。
覚書の概要とその意義
具体的には、覚書の中で以下の3つのポイントが挙げられています。
1.
ISO/TC333(リチウム)における国際標準化に関する協力関係の発展
2.
国際標準化活動における情報共有、相互支援、規格の活用促進
3.
相互の国家規格の情報交換及び人材交流、トレーニングの協力
これらの協力を進めることで、リチウム関連の国際標準化が確実に進むことが期待されており、持続可能な社会の実現に寄与することが見込まれています。
日本規格協会(JSA)の役割
日本規格協会は1945年に設立され、標準化および管理技術の普及を目的としています。JSAは、JISや国際規格の開発、規格票の発行・販売、国際規格の頒布、セミナーの提供、そして各種マネジメントシステムの審査登録を行っており、標準化の促進に寄与しています。
未来への期待
今回の覚書締結は、リチウム資源の持続可能な利用を目指す国際的視点から非常に重要な意義を持っています。リチウムは現代の技術に欠かせない素材であり、その標準化に向けた取り組みは今後ますます重要性を増していくことでしょう。これにより、持続可能な発展の実現に向けた国際的な協力がより一層進展することが期待されます。