パナソニックが業界初の除菌効果検証を実施
パナソニック株式会社の空質空調社が、群馬パース大学と共同で進めた実験が話題を呼んでいます。これは、実使用空間において次亜塩素酸を使用した浮遊菌や付着菌の除菌効果を検証したもので、業界初の試みとして注目されています。感染症の蔓延が懸念される昨今、パナソニックは持続的な研究を通じて、安心・安全な空間作りを目指しています。
次亜塩素酸技術の進化
この研究は、次亜塩素酸に関連する高い除菌・脱臭効果に期待を寄せる中で行われました。これまで30年以上にわたり、パナソニックは次亜塩素酸の安全性やその効果に関する研究を重ね、特にインフルエンザウイルスや新型コロナウイルスに対する有効性を確認しています。また、2022年には新たに「IAQ検証センター」が開設され、この分野での研究体制がさらに強化されました。
今回の検証は、群馬パース大学との産学連携によるもので、次亜塩素酸技術がどのようにして感染リスクを低減するのかを実証するための実験です。群馬パース大学の先端医療科学研究センターは、ウイルス感染症の新たな診断法や感染制御に向けた重要な研究を行っており、その協力によって実施されました。
検証の具体的な内容
検証に使用されたのは、群馬パース大学の教室と実習室という実際の学びの現場です。教室では、約70畳の広さの空間で次亜塩素酸水溶液を作り出す装置が設置され、運転中に浮遊菌の採取が行われました。その結果、装置のある教室では約85%の菌が減少したことが確認されています。
また、無人の実習室でも検証が行われ、大腸菌や緑膿菌などを付着させたシャーレを設置し、次亜塩素酸が揮発した気体の効果を見ました。24時間後の調査では、黄色ブドウ球菌がほぼ99.9%減少したことが判明しました。
今後の期待と展望
群馬パース大学の木村博一教授は、今後の取り組みに期待を寄せています。実使用空間での除菌試験は引き続き行われる予定で、次亜塩素酸技術が、感染リスクの低減に寄与することを期待しています。
パナソニックは、これらの研究結果を活かしながら「感染制御空間」を創出することを目指し、さらなる技術革新に取り組んでいく意向です。感染症の脅威が依然として続く中、私たちの生活を守るために、こうした研究が果たす役割は非常に重要です。
詳しい情報については、
パナソニックのプレスリリースを参照してください。