新刊の紹介:『ゾンビ化する社会 生きづらい時代をサバイブする』
株式会社KADOKAWAから2025年7月30日に発売される書籍『ゾンビ化する社会 生きづらい時代をサバイブする』は、脳科学者の中野信子氏と、ゾンビ学者としても知られる岡本健氏の共著です。本書は、ゾンビという一見ホラーな題材を用いながら、人間社会を深く分析する試みを行っています。
ゾンビという文化の背景とその役割
著者たちは、ゾンビをホラーエンタメの象徴として捉え、その映画や文化がどのように社会の現実を反映しているのかを考察します。
ゾンビの歴史
ブードゥー教の神話から始まったゾンビの概念は、近年では科学的な要素を取り入れる形で進化してきました。これに伴い、ゾンビ映画には「走るゾンビ」や「意識を持つゾンビ」が登場し、社会的なメッセージや心理的なテーマが色濃く表現されています。
社会の歪みを映し出す
本書では、著者たちが「ゾンビは人間社会の歪みを描き出す媒介変数である」と表現しています。彼らの対話を通じて、変化を求める人間の心理や、物語が持つ力を探る重要な論点が展開されます。特に、現代人の「思考停止」や「リセット願望」についての洞察は、特に目を引きます。
エンタメを超えた深いテーマへ
本書は、ただのホラーやエンタメとしてのゾンビに留まらず、むしろそれらを通じて私たちの社会が抱える問題に迫ります。人間と社会の奥深さを、ゾンビの視点から探る新しいアプローチと言えるでしょう。
出演情報と書誌概要
さらに、発売に先駆けて中野信子氏は7月26日にJ-WAVEのラジオ番組「SAPPORO BEER OTOAJITO」に出演します。この際、番組MCのクリス・ペプラー氏とともにゾンビの文化や本書のテーマについて語る予定です。
書籍情報
この本は四六判、232ページで、価格は1760円(本体1600円+税)。カバーのイラストはnatsumeが手がけています。また、電子書籍も同日に配信される予定です。
書目次の一部
本書には「ゾンビ学とは?」や「階層の社会的役割」、現代人が如何にして日常を乗り越えていくかを考察する章などが存在します。それらの内容は、読み進めるにつれて得られる深い洞察が詰まっています。
著者の経歴や対談の時の様子も興味深く、特に両者の知的なやり取りが書籍にどのように反映されているのかも気になります。これからの時代、生きづらさを感じる私たちに何を教えてくれるのか、期待が高まります。