月経前症候群と入浴
2025-05-29 11:47:02

入浴による月経前症候群の緩和効果が示された新たな研究

月経前症候群と浴槽浴の緩和効果



最近、リンナイ株式会社と九州大学大学院芸術工学研究院の西村貴孝准教授の研究チームが、浴槽浴が月経前症候群(PMS)の症状を緩和する可能性があることを示しました。この研究結果は、2024年に日本生理人類学会での発表が予定されており、女性の生活の質の向上に寄与すると期待されています。

月経前症候群とは


月経前症候群は、月経前の特定の期間に発生する身体的および精神的な症状を指します。これには、腹痛や腰痛、憂鬱感、眠気などが含まれ、症状の程度や種類は個々の女性によって異なります。国内では、月経に関連する体調不良による経済損失が年間約5,700億円にも上るとされており、PMSは重要な健康問題となっています。

研究の背景と目的


本研究では、PMSの軽減を目的としたセルフケアの一環として「浴槽に浸かること」が有効であるかどうかを検証しました。成人女性1,200名を対象としたアンケートから、多くの女性が浴槽浴を行っていることが確認されましたが、具体的な効果に関しては未解明な部分が多かったのです。そこで、入浴がPMSに及ぼす影響を詳しく調査することが決定されました。

実験方法


実験は、健康な成人女性10名を対象に行われました。実験は月経周期の特定の期間に行われ、入浴の前後でPMS症状スコアとコルチゾール濃度を測定しました。実験室は室温28℃、湿度50%、浴槽の温度は40℃に設定し、参加者は5分間の安静後に入浴を行いました。入浴前後にPMS症状を評価し、その後コルチゾール濃度の変化をモニタリングしました。

結果と考察


実験の結果、入浴前日のPMS症状のスコアは54.3点から入浴当日には50.7点に減少しましたが、統計的に有意な差は見られませんでした。一方で、コルチゾール濃度は入浴後に減少する傾向があり、これはストレスの軽減を示唆しています。特に、PMS症状が重い人ほど、入浴後のコルチゾール濃度が低下する傾向が見られました。これにより、浴槽浴がPMS症状の緩和に寄与する可能性が考えられます。

研究者のコメント


共同研究者である九州大学の西村准教授は、「浴槽浴は日本人にとって非常に親しみやすい入浴法であり、PMS症状を緩和する可能性があることを示しました。しかし、今後は他の入浴方法や条件との比較研究を通じて、この関連をより明確にしていく必要があります」とコメントしています。

看護学の立場からも、他の研究が補完されることで、浴槽浴の有効性が世界中で示されることに期待が寄せられています。日本独自の入浴文化が、女性の健康問題の解決に寄与することは特筆すべき点です。

これにより、月経前症候群の緩和を望む多くの女性にとって、浴槽浴が一助となることを期待しています。引き続き、今後の研究結果に注目していきましょう。


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会社情報

会社名
リンナイ株式会社
住所
愛知県名古屋市中川区福住町2番26号
電話番号
052-361-8211

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