自動車部品メーカー「三重精機」がAI図面管理で業務効率化を実現
自動車部品メーカーの三重精機株式会社(以下、三重精機)は、株式会社New Innovations(以下、New Innovations)が提供するAI図面管理システム「図面バンク」を導入しました。この取り組みにより、同社の業務効率は大幅に改善され、特に見積もりの作成速度や図面の管理に革新をもたらしました。
導入の背景
三重精機は1937年に創立し、今年で88周年を迎える歴史ある自動車部品メーカーです。しかし、新規販路の拡大に伴い、見積件数が急激に増加した影響で生産技術部門の負担が増し、加工見積もりが属人化してしまっていました。これによりお客様への回答が遅れ、顧客満足度に影響を及ぼす事態が発生していました。
また、図面や関連書類については主に紙で保管されていたため、必要な情報を素早く探し出すことが難しく、大きな時間的コストを抱えていました。これらの問題を解決するために、三重精機は図面管理サービスの導入を検討し、コスト面や将来的な拡張性が利点と感じられた「図面バンク」の導入を決定しました。
導入後の効果
1. 見積もり作成時間の短縮
「図面バンク」の導入後、三重精機では見積もり作成に要する時間が短縮され、従来の業務プロセスが大きく改善されました。特に注目すべきは、類似検索機能の導入です。過去に作成された見積もり案件から類似のサイクルタイムを参照することができるため、時間をかけずに見積もりを作成できます。
2. 柔軟な図面確認
以前は会社に戻らなければ図面を確認することができなかった社員たちですが、「図面バンク」により、外出時でもすぐに図面を確認可能となりました。これによって、業務が効率化されるだけでなく、働くスタイルも柔軟性を持つようになっています。年齢層が幅広い社内でも、基本的な操作に戸惑うことなく活用できている点も評価されています。
「図面バンク」とは
「図面バンク」は、製造業向けに特化したクラウド型の図面管理システムです。このシステムでは、図面や関連書類(見積書、技術文書、CAD・CAMファイルなど)をクラウドに保存し、AI技術を用いて大量の過去図面から必要な情報を迅速に検索することが可能です。これにより、特定の担当者に依存すること無く、全社員が必要な情報にアクセスできる環境が整いました。
導入に際するソフトウェアのインストールは不要で、ウェブブラウザ経由で利用可能なため、非常に手軽です。また、月額料金も4.8万円(税別)からとコストパフォーマンスの高いサービスです。
日本の製造業は、GDPの約20%を占める基幹産業である一方、労働生産性の向上が喫緊の課題となっています。今後、同様の業務効率化ツールを活用し、企業の生産性を高めていくことが求められます。
代表取締役 CEO 兼 CTO 中尾 渓人のプロフィール
「図面バンク」を手がけるNew InnovationsのCEOである中尾渓人は、1999年に和歌山県で生まれ、14歳でロボット競技で世界大会に入賞。その後もシステム開発事業を展開しながら、多くの企業との取引を実現させました。2018年には高校在学中に自らの企業を立ち上げ、現在は製造業向けのソリューションを提供しています。彼のビジョンは「人類を前に進め、人々を幸せにする」という理念のもと、企業の競争力を高めていくことです。
結論
三重精機が「図面バンク」を導入したことで、業務の効率化に成功した事例は、これからの製造業におけるデジタル化のモデルケースとも言えます。業務の改善が企業の成長にどれほど寄与するか、その先進的な取り組みから多くの企業が学ぶべきでしょう。今後の動向にも注目です。