福岡県飯塚市での防災実証実験
福岡県飯塚市は、先進的な防災対策を導入するため、ブロックチェーン技術を活用した実証実験に乗り出します。この取り組みは、Turing Japan株式会社、渋谷Web3大学株式会社、株式会社BLOCKSMITH&Co.、株式会社かんがえる防災の4社からなる連合体によって実現されます。特に注目されるのが、デジタルとアナログを融合させ、防災意識を日常的に高める新たなアプローチです。
実証実験の概要
飯塚市の「令和7年度飯塚市先端情報技術実証実験サポート事業」に採択された本実証実験は、2つの主要な柱に焦点を当てています。
1.
QAQA-BO(カカボ)
- 防災クイズとポイント活動を结合したソリューションとして、株式会社BLOCKSMITH&Co.が開発したクイズアプリ「QAQA」を防災特化型にアレンジします。この「QAQA-BO」は、地域特性を反映したクイズを提供し、ユーザーが日々挑戦したくなる仕組みを構築。連続的な学習を促進するためのログインボーナスシステムも導入し、参加者に「防災学習証明書」を発行します。このアプリは、幅広い年齢層が参加できるコンテンツ設計がなされており、三世代が一緒に楽しむことも可能です。
2.
Turing Certs避難所認証システム
- Turing Japanが提供する「Turing Certs」は、デジタル証明書プラットフォームとして、累計600万枚以上の証明書を発行しています。特に、避難所の運営においてDID(分散型ID)やVerifiable Credential(検証可能な証明書)を利用することで、QRコード一つで瞬時に本人確認ができるシステムを構築します。このシステムは、個人のプライバシーを保護しながら、迅速かつ確実な避難所の運営を実現します。
参画企業の役割
複数の企業が連携している本プロジェクトでは、それぞれの専門性が活かされています。Turing Japanはデジタル証明技術を提供し、渋谷Web3大学はプロジェクト全体の統括を行い、防災クイズの作成や検証報告に関与します。そして、BLOCKSMITH&Co.が「QAQA-BO」の開発を担当し、株式会社かんがえる防災は地域密着型の防災ノウハウを提供します。
期待される成果とスケジュール
本実証実験の成功により、防災意識の向上と共に、避難所受付の効率化や正確な情報管理の実現が期待されています。また、全国での展開に向けたモデルケースとしての位置づけも重要です。実施スケジュールとしては、2025年9月から11月にかけて準備が進み、2026年12月から実証実験がスタートします。最終的には、2026年6月以降に全国展開が開始される予定です。
飯塚市の挑戦
飯塚市は2021年に「ブロックチェーン推進宣言」を行い、新しい産業創出に向けたビジョンを掲げました。今回の実証実験は、このビジョンを具現化する重要なステップであり、地方からのイノベーションを全国に発信する意義も大きいと言えるでしょう。これにより、飯塚市が防災DXの先駆的モデルとなり、全国・世界へのアピールにつながることが期待されています。