りそな銀行の新たな挑戦
2025年12月10日、東京・渋谷を拠点とする株式会社テイラーワークスが提供する営業・コンサル支援AI「TAILOR WORKS」が、株式会社りそな銀行に本格導入されることが決定しました。この取り組みは、法人向けの事業コンサルティングを効率的かつ高度に進めるためのものであり、AIの力を利用した地域金融機関の新しいビジネスモデルを築くことを目指しています。
営業・コンサル支援AI「TAILOR WORKS」とは?
りそな銀行の導入に先立ち、テイラーワークスは2024年10月から「TAILOR WORKS」の提供を始めました。これは、顧客の事業リサーチから課題の分析、市場動向調査、そして提案作成に至るまでを支援する法人営業とコンサルティング担当者向けの業務支援ソリューションです。
その核心は、AIを利用して膨大なデータを分析し、クライアント企業のニーズを迅速に把握することにあります。これにより、営業担当者は効率的に仮説を立て、提案を作成することが可能になります。
取り組みの背景
りそな銀行は、企業とのビジネス共創を重視しており、特に大手と中堅企業、さらにはスタートアップとの連携を強化してきました。しかし、経営資源が限られている地域金融機関においては、顧客のベースライン情報を十分に理解することが難しく、結果として提案が個々の営業担当者に依存しやすい構造がありました。実際、顧客の真のニーズを把握するために必要な情報収集には、数多くの時間とリソースがかかります。
そのため、最終的な提案内容も担当者の経験や知識に大きく左右されがちです。このような状況を改善するため、りそな銀行は2025年1月から「TAILOR WORKS」を用いたProof of Concept(PoC)を実施しました。
このPoCにより、提案作成の作業時間が驚異的に99%削減されることが実現し、効率化の必要性が明確に示されました。
AIがもたらす変革
本格導入を受けて、りそな銀行ではAIを活用して顧客との面談ログやヒアリングデータなど、一次情報をしっかりと解析し、顧客事業情報データベースに統合します。この取り組みにより、顧客ニーズに対する理解が一層深まり、より精度の高い提案を行うことが可能になります。
さらに、営業支援AIが提供する情報は、迅速な意思決定を助けるだけでなく、協業アイデアの生成やコラボレーション先企業の提案に至るまで、幅広い支援を提供します。これにより、組織全体のコンサルティング力が一層高まり、地域の企業に必要な支援がスムーズに提供されることが期待されます。
地域金融機関の未来
テイラーワークスはこの取り組みを通じて、地域金融機関の課題解決と市場構造の変革をリードしていく意思を示しています。地域の中堅・中小企業が直面する様々な課題に対し、リアルタイムで適切なソリューションを提供することで、全体としての事業の質が向上するでしょう。
株式会社りそな銀行の東大祐氏は、「金融+で、未来をプラスに。」というビジョンに基づき、これまでの金融サービスの枠を超え、新しい価値を創造し続けることが重要だと述べています。今回の「TAILOR WORKS」の導入が、地域企業との共創や成長に寄与することを確信しているとのことです。
まとめ
今後、テイラーワークスとりそな銀行の連携がどのように進化し、地域の企業支援が実際にどのような形で展開されるのか、注目が集まります。AI技術による革新が、営業支援業務の効率化と質の向上をどのように実現するのか、今後の展開に期待が寄せられています。