山梨大学とナレッジコミュニケーションが進める、新たなAI活用の形「UYxAI(ゆい)」
最近、山梨大学に導入された新しいAIシステム、専用Teams Chatbot「UYxAI(ゆい)」が注目を集めています。このプロジェクトは、株式会社ナレッジコミュニケーションと協力し、Azure OpenAI Serviceを活用することで、教職員の業務支援を目的としています。今回は、このプロジェクトの背景から具体的な実装内容、そして今後の展望について詳しくお伝えします。
プロジェクトの背景
山梨大学がこの新たな技術導入を検討するにあたって、主な動機は業務や教育の向上を目指したものでした。特に、AI技術の進化に伴い、文章生成AIを活用することでより効率的な業務が可能になるとの期待がありました。そこで選ばれたのが日本マイクロソフトが提供するAzure OpenAI Serviceです。このサービスは、安全性やプライバシーの保証が強化されており、大学独自の設定を行うことも可能です。これらの理由から、山梨大学はこのプラットフォームの導入を決定しました。
プロジェクトの目的と目標
山梨大学では、学長からのメッセージにおいて「AI対話サービスを通じて技術を効果的に利用し、学びを深めてほしい」という方針が示されています。今回のプロジェクトは、その方針に基づき、教職員や学生が安全で安心して利用できる文章生成AIの環境を整えることを目的としています。巨額な先進技術を導入することにより、より多くの業務や教育活動が効率化されることが期待されています。
導入プロセス
プロジェクトは「アジャイル型開発」の手法を基に進められ、導入から約1ヶ月で検証用のチャットボットを提供することができました。この初期の段階では、使用する生成AIモデルの選定及び回答スタイルについての検討が行われ、大学側のニーズに沿った形での調整が進められました。その結果、Microsoft Teamsをベースにした専用チャットボットが実装されました。
導入過程での主な課題の一つは、使用する生成AIモデルの決定でした。モデル選定には時間がかかるため、プロジェクトの終盤までには適切なモデル選びができるよう工夫されました。また、利用者からのフィードバックを基に機能の追加・調整も行われ、最終的には多機能を有したシステムへと進化しました。
UYxAI(ゆい)の特徴
「UYxAI(ゆい)」は、利用者がいつでも相談できる身近なアドバイザーとしての位置づけがなされています。チャットボットは、Teamsの基本機能を駆使しており、質問や指示を入力することができます。さらに、利用者の便利さを向上させるために、文章の要約や日英自動翻訳機能も搭載されています。これにより、学内の教職員が生成AIをより身近に感じ、活用できる環境が整っています。
今後の展望
今後の展望としては、UYxAI(ゆい)の利便性をさらに向上させるために新機能の追加やRAG(検索拡張生成機能)を導入することが計画されています。また、他の教育機関にも同様のサービスを展開していく意向が示されています。ナレッジコミュニケーションは、AIによる支援の拡大を通じて、教育現場でのDX推進を加速させることを目指しています。
このように、山梨大学とナレッジコミュニケーションは、AI技術を活用した新たな教育の形を模索しています。今後の進展が楽しみです。