大船渡市に設立されたAI解析拠点の新展開
岩手県大船渡市に、コグニティ株式会社と地域活性化総合研究所の共同プロジェクト『大船渡CC』が開設され、2016年9月26日から正式に稼働を開始しました。この新しい拠点は、特に在宅テレワークを希望する子育て中の女性に向けた新しい働き方を提供し、地域の雇用創出を目指しています。
コグニティ株式会社は、AI技術を活用して営業トークやプレゼンテーションの傾向や癖を解析するサービス『UpSighter』を展開しており、その需要拡大を背景に新たな解析拠点を設置しました。大船渡CCが設立された背景には、震災復興に貢献するという地域のニーズと、女性が家庭の事情で自宅を離れにくい現状を考慮した点があります。
大船渡CCの具体的な取り組み
大船渡CCでは、解析業務が製造業のプロセスを応用し、従業員がスキルや経験に依存せずに業務を開始できるように設計されています。このため、現在35名の作業者が在籍しており、その多くは育児中の女性です。コワーキングスペースやセキュアスペースを駆使することで、子供連れでも安心して作業ができる環境を整えています。
例えば、保護者が作業中に子供を遊ばせ、双方が快適に時間を過ごせる仕組みが実現されており、こうした新しい拠点の設立は地域における新たな生活スタイルを促進しています。今後は、更に作業者数を増やし、データベースの強化や個々のパフォーマンス向上へとつなげていく方針です。
社会的な意義と今後の展望
大船渡CCの設立によってもたらされる新たな働き方改革は、単なる雇用の創出にとどまらず、地域の復興や子育て支援へも寄与する重要なプロジェクトです。震災以降、地域を支えるための取り組みが求められている中で、子育てや介護のために自宅から出にくい人々に対する職業機会の提供は、地域の活性化にもつながります。
企業と地域が連携することで、今後も大船渡市は新しい働き方を模索し続け、地域の人材育成を進めていく計画です。これは、他の地域にもモデルとなる可能性があり、全国的な働き方改革に影響を与えるでしょう。日本社会全体に新たな雇用の可能性を示す大船渡CCの取り組みから、目が離せません。
大船渡CCの概要
- - 設立場所: 岩手県大船渡市盛町馬場2-23-7 1F
- - 提供するサービス: 営業トークやプレゼン等の解析サービス「UpSighter」の運営
- - 主な業務内容: テレワーク業務支援、男女問わず地域雇用の創出
- - 地域の役割: 地域の人材育成や都市部企業の誘致、移住促進を目指す
大船渡CCの成功事例は様々な可能性を秘めており、今後も地域の未来を担う取り組みが展開されることが期待されます。