循環葬の新たな形、at FORESTの成長物語
at FOREST株式会社が、金融機関からデットファイナンスを通じて5000万円の資金を調達しました。この資金は、同社が提供する循環葬「RETURN TO NATURE」の全国展開を目指すためのものです。設立から僅か2年で、多くの支持を集める同社の目指す方向性とは?
背景にある循環葬の理念
at FORESTは、「森と生きる・森に還る・森をつくる」をテーマにした新しい埋葬スタイルを提案しています。具体的には、ご遺骨を森林に埋葬し、墓標を残さない方法で、豊かな自然を未来に引き継ぐことを目指しています。この考え方は、ただ亡くなった方を埋葬するだけでなく、亡くなること自体を森づくりにつなげるという新しい価値観を提案しています。
資金調達の目的
調達された資金は、運営にかかる経費や設備投資、さらには人材採用、サービス品質の向上に利用される見込みです。特に関東圏では、同サービスに対するニーズが高まっており、これに応える形での拡張が期待されています。
主要金融機関の評価
日本政策金融公庫とみずほ銀行がこの資金調達に関与しており、それぞれの担当者はat FORESTの提案する循環葬の新しい価値を高く評価しています。日本政策金融公庫の関谷所長は、at FORESTの事業が多様性を尊重し、「死」に対する新たな考え方を提示するものだと述べています。また、従来の埋葬方法にとらわれない新しい選択肢として注目されています。
みずほ銀行の西元部長も、このプロジェクトに関して「新たなニーズを捉えた企業の行動力に感銘を受けた」と語り、今後の成長に期待を寄せています。
RETURN TO NATUREとは?
「RETURN TO NATURE」は、専門家に監修されたサービスで、森林内に遺骨を埋葬するという形態をとっています。この方法は環境への配慮だけでなく、次世代に自然を残すための手段ともなっています。売上の一部は森林保全団体に寄付され、社会的な意義も持つ事業として広がりを見せています。
未来に向けた今後の展望
at FORESTは、これからも循環葬を通じて、無縁墓の抑制や放棄林の保全といった社会的課題にも取り組む方針です。日本は森林が豊富な国であるものの、管理が行き届かない放棄林が問題視されています。その中でat FORESTは、新しい形の埋葬スタイルを通じ、私たちの自然資本を守る役割を担おうとしています。
最後に
at FORESTの循環葬は、単に埋葬の方法を変えるだけでなく、私たちの価値観そのものを変える可能性を秘めています。「死」を新しい視点から見つめ直すことができるこのサービスが、これからの日本にどのような影響を与えるのか、目が離せません。