Craifが乳がん検知の新手法を発表
日本乳癌学会学術総会(2025年7月10日〜12日、京王プラザホテル)で、Craif株式会社ががん研有明病院の井上有香医師と共同で発表した研究が注目を集めています。この研究は、尿中のマイクロRNAを活用して、乳がんを非侵襲的に診断する可能性を示しています。
研究成果の概要
Craifの研究では、乳がん患者と健康な対照群の尿中マイクロRNAの発現量に有意な差異が見られました。これにより、乳がん特有のマイクロRNAが特定され、がん細胞の増殖に関連するシグナル伝達経路との関係も示唆されました。特に、乳がん患者では、約20種類以上のマイクロRNAの発現に顕著な変化が確認され、その中には腫瘍の進展に寄与するものが含まれています。
高精度な判別モデルの構築
さらに、CraifはこれらのマイクロRNAプロファイルを利用し、機械学習を駆使して乳がん患者と健康な人を高精度で識別するアルゴリズムを開発しました。異なる2つのマイクロRNA抽出方法でも、同等の結果が得られたことが確認され、実用化の可能性が広がっています。
非侵襲的な検査法の期待
尿中マイクロRNAの研究は、体への負担が少なく、早期がん発見や再発のモニタリングに対して非常に有効であると考えられています。この研究の成果は、今後の臨床においても重要な基盤となることが期待されています。例えば、尿中マイクロRNAが乳がん診断の新しいバイオマーカーとなりうることが示唆されています。
Craifの理念と未来
Craif株式会社は、2018年に設立されたバイオAIスタートアップで、がん早期発見に向けた研究に注力しています。同社は「人々が天寿を全うする社会の実現」を目指し、尿などの体液から様々なバイオマーカーを高精度に検出する技術「NANO IP®︎」を駆使しています。
今後もCraifは、革新的な検査法の開発を通じて、社会におけるがん予防や早期発見に寄与していくことでしょう。健康的な社会の実現に向け、さらなる挑戦が期待されます。
まとめ
Craif株式会社とがん研有明病院の共同研究は、尿中マイクロRNAを活用した乳がんの非侵襲的診断法の可能性を示しました。今後の研究と臨床応用に期待が寄せられています。日本乳癌学会での発表が、多くの人々にこの技術の重要性を伝えるきっかけとなることを願っています。