山形県酒田市で導入された母子手帳アプリ『母子モ』
山形県酒田市において、子育て支援の一環として、母子手帳アプリ『母子モ』が運用を開始しました。このアプリは、『さかた子育て応援アプリ』として、6月2日から利用可能となっています。赤ちゃんから若者まで、全ての家庭に向けたこの取り組みの目的は、子どもたちが心身ともに満たされた環境で育つことをサポートし、保護者も安心して子育てができる市を目指すことです。
自治体との連携による安心のデジタル化
『母子モ』は、730以上の自治体で導入されている成熟したアプリです。これにより、紙の母子健康手帳のデータを手軽にデジタルで管理することができ、今後、こども家庭庁が目指す電子版母子健康手帳の原則化に先駆けて運用が開始されることとなりました。
このアプリは、予防接種のスケジュールや健康診断結果の管理、地域情報の配信など、すべてをスマートフォンやタブレットで簡単に行えます。クラウドにデータが保存されるため、万が一の際にも安心です。引っ越しや機種変更の際も、新しい環境でスムーズに利用を続けられます。
さかた子育て応援アプリの機能
具体的には、以下のような機能を提供しています:
- - 予防接種の管理:接種予定や履歴を把握し、受け忘れを防ぐアラート機能が付いています。
- - 健康状態の記録:妊娠中の体調や胎児・子どもの成長記録をグラフ形式で視覚的に確認できます。
- - 育児に関するアドバイス:出産や育児の基礎知識をもとに、必要な情報や動画を提供。
- - 育児日記機能:子どもの成長を記録できる「できたよ記念日」があり、さまざまな記念日を写真とともに残せます。
このアプリでは、家族間で育児情報を共有することもでき、SNSでの投稿も可能です。特に、遠方で暮らす祖父母と情報を共有することで、家族全体で子育てを支え合う環境を整えています。
地域密着型支援の体制
酒田市では、特に子育て世帯や妊産婦、ヤングケアラーへの訪問支援事業も展開しています。具体的には、家庭訪問支援員が自宅に訪れて家事や育児をサポート。また、多胎児を育てている家庭には多胎児養育支援員が派遣され、食事や健康診断に付き添うなど、育児負担を軽減しています。これらの支援事業を通じて、子育て世帯が少しでも楽に過ごせるように心がけています。
未来を見据えたデジタル化の理念
母子モ株式会社は、2030年を見据え、妊娠から子育てに至るまでの手続きや情報をデジタル化し、必要な人に届けることをビジョンに掲げています。厚生労働省との共同で、乳幼児の定期予防接種予診票のデジタル化に向けた事業も進めており、安心で簡単に子育てができる社会の実現を目指しています。
最後に
酒田市長の矢口明子さんは、アプリの導入について「子育て世代の皆さんが少しでも楽に子育てができ、子どもの成長を共に楽しんで欲しい」と述べています。地域との連携を強化し、子育て家庭の生活がさらに充実することを期待しています。『母子モ』は、効果的な子育て支援ツールとして、今後ますます注目を集めることでしょう。