新型コロナと透析
2022-01-31 13:38:22
医療法人やまびこ会が推進する在宅透析と個室透析の強化
新型コロナウイルス(COVID-19)が広がる中、特にリスクが高いとされる人工透析患者の安全確保が求められています。今回、医療法人やまびこ会は「在宅透析」と「個室透析」の強化に乗り出すことを発表しました。この目的は、透析患者が新型コロナウイルスに感染する危険性を抑えつつ、より良い治療環境を提供することにあります。
透析患者における新型コロナウイルス感染症の実態について、2022年1月27日のデータによると、透析患者の感染者数は2,683人で、その中で426人が亡くなるという衝撃的な結果が出ています。これは、透析患者の死亡率が14.5%という高い数値を示しており、一般の感染者の約0.8%に比べて、極めてリスクが高いことを示しています。
特に、オミクロン株が流行中の今、透析患者の安全確保が急務となっています。透析は治療のために頻繁に医療機関に通う必要があり、また、感染者が軽症の場合でも、通常の透析治療を続けることが難しくなります。このような状況を受け、吉村知事からは「軽症の患者はかかりつけ医療機関で透析治療を続けるように」との要請文も出されています。
人工透析の通常の治療は、数十床の大部屋で行われるため感染リスクが高く、クラスターの発生も懸念されます。こうした状況で、自宅療養が必要になったとしても、透析のために通院が求められ、完全な自宅療養ができないという実情があります。特に高齢の透析患者にとっては、通院の際に医療機関の送迎を利用せざるを得ないため、他人との接触を避けることが難しいのが現実です。
そこで、医療法人やまびこ会は以前から推進してきた「在宅血液透析」や「個室透析」という選択肢が、このような状況下で重要であると認識しています。特に在宅透析は、自宅で患者自身が治療を行えるため、自らのライフスタイルに合わせて自由に治療を行うことが可能です。これにより、治療時間を従来よりも効率的に確保することができるのです。
さらに、「個室透析」は患者のプライバシーを守り、特に「オーバーナイト透析」を行う際に効率的です。オーバーナイト透析は、夜の睡眠時間を利用して長時間の透析を行うことで、日中の生活に対する制約を減少させます。この治療法を施行するには個室の環境が望ましく、患者が快適に過ごせる空間を提供できるという利点があります。
しかし、この取り組みには大きな課題もあります。十分な設備や人員を確保するためには、クリニック側に経済的な負担がかかり、制度上も保険点数がつきにくいとの報告があります。にもかかわらず、医療法人やまびこ会では、透析患者の予後を改善するために在宅血液透析やオーバーナイト透析をより一層推進しています。
新型コロナウイルス感染症の影響を受けてさらに重要性が増している中、私たちは在宅透析や個室透析の取り組みを改革し、新しい医療の形を模索し続けます。患者の安全と健康を第一に考え、今後もさらなる努力を重ねていく所存です。
会社情報
- 会社名
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医療法人やまびこ会
- 住所
- 大阪府泉南市信達大苗代1123番地の22
- 電話番号
-
072-480-5501