脱炭素社会への一歩を踏み出す「バイオ炭製造装置」
株式会社三石ハイセラム(大阪府大阪市)が、新たに過熱蒸気式バイオ炭製造装置の製造および販売を開始しました。この装置は、廃棄物という製造活動の副産物を地球にとって有益なものへと変える技術として注目されています。
バイオ炭とは?
バイオ炭とは、有機物を高温で炭化させることによって生成される、環境に優しい素材です。これにより、成長過程で大気中に放出されるはずの炭素を土壌に貯留することができます。バイオ炭は、農地土壌の改善に寄与するだけでなく、Jクレジット制度のクレジット対象にもなり、脱炭素化に重要な役割を果たします。
過熱蒸気式の特徴
三石ハイセラムの新装置は、燃焼機構を持たず、電気を使って過熱蒸気を生成します。これにより、既存の蒸気を利用している施設でも簡単に導入することが可能です。以下の特徴があります。
1.
処理スピードが速い:過熱蒸気は高い熱容量と伝導特性を持つため、迅速な処理が可能です。この特性により、運用コストも削減できます。
2.
メンテナンスが容易:自動運転機能により、手間をかけずに運用でき、メンテナンスも簡単です。
3.
安心の実績:長年の運用実績がある三泰環境システムとの技術提携により、信頼性も確保されています。
廃棄物の出処と期待される効果
この装置を活用することで、有機汚泥や林地残材などの廃棄物を再利用する新たな手段が生まれます。生成されたバイオ炭は、農業における土壌改良材やバイオマス燃料として利用が期待されています。
特に、農業においては、バイオ炭の導入で土壌の質が向上し、作物の収穫量が増える事例も報告されています。これにより、温室効果ガスの排出削減に寄与することも可能です。
未来への取り組み
三石ハイセラムは、2024年9月に自社工場内にテストプラントを設置し、バイオ炭の試験製造を行います。また、2024年12月には東京ビッグサイトで開催される「エコプロ2024」に出展し、最新の技術を紹介する予定です。
将来的には、廃棄物を有効な資源へと転換し、持続可能な脱炭素社会の実現に寄与することを目指しています。社会的な要請に応じて、バイオ炭の利用が広がる可能性もあります。
会社概要
株式会社三石ハイセラムは1928年に設立され、環境技術の開発にも力を入れています。従業員数は140名を超え、ISO9001及びISO14001を取得するなど、高度な品質管理と環境保護への取り組みが評価されています。また、環境事業として、廃棄物のリサイクルについても様々な活動を行っています。
事業の詳細が気になる方は、ぜひ公式ウェブサイトをチェックしてください。