AIと脳核医学
2021-09-09 15:00:48
AI技術で変わる脳核医学検査の未来とその可能性
AIと脳核医学: 新たな診断手法の誕生
近年、認知症やパーキンソン病の診断においてSPECT検査の重要性が増しています。この検査は、微量の放射性物質を用いて体内のガンマ線を画像化し、脳機能や臓器の異常を把握する核医学の手法です。しかし、この検査には放射線による被ばくが伴い、特にCT(コンピュータ断層撮影)と併用するSPECT/CT装置は高性能ですが高額なため、導入が難しい病院も存在します。
そこで新たに注目されているのが、AIを活用した新しいSPECT技術の開発です。この技術は、従来のSPECT画像を高精度で再構成することを目指しており、特に吸収補正に関する根本的なアプローチが行われています。
SPECT撮像の現状と課題
SPECT検査は、注射された検査薬が体内で放出するガンマ線を検知し、これを基に画像を生成します。CTやMRIが物理的な形を描出するのに対し、SPECTでは機能的な情報を提供します。しかし、放出されたガンマ線は骨や軟部組織によって減弱してしまうため、正確なデータを得るためには補正が欠かせません。一般的な方法にはCTを使用した「CTAC法」や「Chang法」がありますが、後者は不均一な減弱による誤差が大きくなってしまう欠点があります。
AIによる新しいアプローチ
同研究では、吸収補正前のSPECT画像とCTAC法により補正された画像をAIに学習させ、その結果をもとに深層学習モデルを構築します。これにより、従来のSPECT装置でもSPECT/CT装置と同等の精度を実現することが期待されています。このアプローチによって、多くの病院で高精度の画像診断が可能になるとともに、CTによる放射線被ばくのリスクを軽減します。
医療とAIの融合が生み出す価値
フォーカスシステムズは、この研究を通じて医療とAIの融合を進めており、特に脳梗塞や認知症、てんかんなど多岐にわたる診断技術への応用を目指しています。2022年以降、関連病院での多施設研究も予定されており、実用化に向けたステップが踏まれることでしょう。
これらの技術的進展により、医療現場が抱える課題に対し、AI技術がどのように役立つのか期待が高まります。将来的には、検査の時間短縮と患者の負担軽減が実現し、より多くの方が安全で高品質な医療サービスにアクセスできるようになることが願われています。
関連情報のご紹介
フォーカスシステムズは、AIを活用した様々な医療技術を開発・実用化する中で、特に臨床現場のニーズに答える形で事業展開を図っています。この企業は、公共性の高い分野での取り組みを通じて、医療の質の向上と効率化を目指しています。
詳しくは、フォーカスシステムズの公式サイトを訪れてみてください。
会社情報
- 会社名
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株式会社フォーカスシステムズ
- 住所
- 東京都品川区東五反田2-7-8フォーカス五反田ビル
- 電話番号
-
03-5421-7777