洋上風力発電精度検証サイト
2024-07-09 14:59:41

国内初!洋上風力発電の風況観測精度検証サイトが本格稼働!産学官連携で実現した革新的な取り組み

国内初、洋上風力発電の精度検証試験サイトが本格稼働!



2023年、青森県六ヶ所村むつ小川原港内に、国内初の洋上風力発電における風況観測機器の精度検証試験サイトが完成し、本格的な運用を開始しました。これは、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の委託事業「洋上風況観測にかかる試験サイトのモデル検討・構築」の一環として、神戸大学、レラテック株式会社、一般財団法人日本気象協会などの産学官が連携して整備を進めたものです。

なぜ精度検証が必要なのか?



洋上風力発電は、再生可能エネルギーの主力電源化に向けて重要な役割を担うと期待されています。しかし、風力発電所の事業計画策定には、高精度な風況データの取得が不可欠です。風況観測マストの設置には、地元調整や許認可手続きなど多くの課題があり、ドップラーライダーなどのリモートセンシング技術を活用するケースが増えています。

リモートセンシング技術は、従来の方法に比べて効率的に風況データを収集できますが、観測機器の精度を保証するためには、事前に検証試験を実施することが重要です。しかし、国内では一般に開放されている検証試験サイトが存在せず、その必要性が強く求められていました。

産学官連携による革新的な取り組み



この課題を解決するために、NEDOは「洋上風況観測にかかる試験サイトのモデル検討・構築」事業を立ち上げ、産学官連携による試験サイトの整備を進めました。

  • - 神戸大学 は、試験サイトの所有者として、学術的な研究開発や教育機関としての役割を担います。
  • - レラテック株式会社 は、試験サイトの管理・運営、および風況観測機器の精度検証を行う重要な役割を担います。
  • - 一般財団法人日本気象協会 は、気象観測の専門知識を生かし、試験サイトの運営を支援します。

これらの組織が連携し、2023年度に試験サイトの整備が完了しました。そして2024年3月には、試験サイトの運営を行う管理法人として「一般社団法人むつ小川原海洋気象観測センター」が設立され、本格的な運営がスタートしました。

試験サイトが持つ3つの機能



この試験サイトは、以下の3つの機能を備えています。

1. 風況観測機器などの精度検証
- ドップラーライダーなどの風況観測機器の精度検証を行うことができます。
- 精度検証レポートを発行することで、機器の信頼性を高めます。
2. 研究開発・教育利用
- 研究開発に役立つ洋上研究プラットフォームとして活用できます。
- 神戸大学との連携により、共同研究や学生への教育機会を提供します。
3. 地域貢献
- 試験サイトで観測された気象・海象データを活用し、海域利用のための情報提供を行います。
- 青森県内の学術機関との共同研究を実施し、教育施設としても活用します。

日本の洋上風力発電を加速させる



この試験サイトの誕生は、日本の洋上風力発電の進展を加速させる重要な一歩です。風況観測機器の精度向上は、洋上風力発電事業の事業性評価をより正確に行うことを可能にし、より安全で効率的な発電システムの構築を促進します。

さらに、試験サイトは、再生可能エネルギーの導入促進や気象・海象観測技術の発展にも貢献していくことが期待されています。六ヶ所村や青森県をはじめとする地域社会の発展にも貢献していく予定です。


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