小林昌廣が設立した新しい哲学の場
元情報科学芸術大学院大学教授の小林昌廣氏が、新たに「一般社団法人 日々の哲学」を設立しました。この法人は、私たちの生活に根ざした哲学的な思考を促すことを目的としています。近年、多様な情報が交錯する現代社会において、個々人が自分の考えを主張することが一層重要視されています。そこで、哲学的な視点が求められる理由を小林氏は強調しています。
設立の背景
現代は、情報社会の進展とともに、さまざまな価値観や意見が飛び交う時代です。インターネットの普及により、誰もが情報発信者になりうる一方、自らの信念や正しさを主張することが、時には対立を生むこともあります。このような中で、哲学的な思考が必要とされているのです。小林氏は、哲学が身近であるべきだと訴えており、複雑な問いを通じて自分自身や社会を見つめ直す重要性に触れています。
具体的な問いとして、「人生に意味はあるのか?」、「存在とは何なのか?」、「社会や制度はどうして成立しているのか?」といったテーマが挙げられます。これらの問いは答えが一つではなく、様々な考察を通じて自らの理解を深める機会となります。
日々の哲学の目的
「一般社団法人 日々の哲学」では、医療人類学や表象文化論の視点から、さまざまな哲学者の思想を取り入れ、日常生活の中で気づきを得る手助けをすることを目指しています。小林氏自身が掲げる「芸術」「医学」「哲学」という三つの分野の中心にある《身体》というテーマを通じて、さまざまな作品や文学、映画を考察しながら、生活の中での哲学的な気づきを促します。
法人概要と活動
法人の所在地は東京都中央区銀座にあり、設立日は令和7年4月15日です。代表理事の小林氏は1959年生まれで、大阪大学大学院で医学研究をし、その後、京都芸術大学や情報科学芸術大学院大学で教授として活動してきました。その専門知識を活かし、全国で講座を開講し、日々の哲学を広める活動をしています。
また、最近では「日々の哲学」というサブスク講座や、YouTubeチャンネル「シン・今週の一冊」というプログラムも展開し、多くの人々に哲学を身近に感じてもらう試みを行っています。これにより、哲学を学ぶことが難解であるという印象を払拭し、日常に活かせる思考法を提供することを目指しています。
小林昌廣氏のメッセージ
小林氏は、哲学がもたらす「無力さ」についても触れています。確かに、哲学を学んでも直接的な利益が得られるわけではありません。しかし、小林氏は、日常の中で哲学的な思考を持つことが何よりも重要だとし、心に彩りを加える手助けをすることに意義を見出しています。「日々の哲学」が、私たちの日常を豊かにすることを願っています。彼の言葉は、私たち自身がどのように生き、考え、感じるかに寄り添っています。
この「日々の哲学」法人の活動を通じて、私たちは日常生活の中に埋もれている哲学を再発見し、より豊かな人生を送るためのヒントを得ることができるでしょう。これからの展開が楽しみです。