神奈川県横浜市に設立されたアクアポニックス推進協会の目指す新しい農業
2025年4月、一般社団法人アクアポニックス推進協会が神奈川県横浜市に設立されました。この協会は、循環型農業「アクアポニックス」の普及を通じて、現代が抱える食料、環境、エネルギー、資源などの多様な課題を解決することを目指しています。
アクアポニックスの急成長
アクアポニックスは、水耕栽培と水産養殖を組み合わせた持続可能な農業の手法です。近年では、地球の限られた資源を有効利用するための方法として、世界中で注目を集めています。日本でも、SDGsが策定された2015年以降、地方創生や教育、障がい者雇用の観点から、多くの企業や個人がこの農法に取り組み始めました。しかしながら、様々な企業や団体が独自に情報発信を行う中、アクアポニックスに関する情報の集約はほとんど行われていませんでした。
そこで設立されたのがアクアポニックス推進協会です。
アクアポニックスの経済的な可能性
市場規模についても注目が集まっています。国際市場では2024年から2032年まで年平均成長率約16%で推移し、2032年には9,200億円に達すると見込まれています。日本国内の市場でも同様に、年平均成長率約17%が予測され、2032年には515億円に達するとのことです。日本のアクアポニックス技術は、管理技術やシステム面で世界のトップレベルとされており、協会はこの産業化を進め、技術の付加価値を広く伝える役割を担います。
協会の活動内容と目的
アクアポニックス推進協会は、様々な形でこの農法の普及に努めます。具体的な活動としては、アクアポニックスの生産技術研究や人材育成、広報活動、商品認証、食品開発、コンサルティングなどが挙げられます。また、官庁や地方自治体との連携を深めながら、持続可能な農業モデルを構築していくことも目的の一つです。
代表理事の経歴と活動
協会の代表理事には、株式会社アクポニの濱田健吾が就任しています。彼は日本のアクアポニックスのパイオニアとして知られ、大学の教授陣をはじめ、各分野の専門家たちが理事に名を連ねています。
これにより、アクアポニックスの可能性を広く社会に伝え、技術革新や業界の活性化を図ろうとしています。
イベント情報と今後の展望
アクアポニックス推進協会は、2025年5月26日に「持続可能な食料生産手段としてのアクアポニックスの可能性」をテーマにしたトークイベントを開催予定です。専門家を招いて、アクアポニックスの未来や協会の活動について話し合います。
このように、協会は産官学の連携を強化し、次世代を担う若者に向けた教育プログラムを通じて、アクアポニックスの重要性を広めていく計画を進めています。
まとめ
神奈川県横浜市に誕生したアクアポニックス推進協会は、循環型農業の可能性を追求し、持続可能で豊かな未来を目指して活動を行います。アクアポニックスがもたらす新しい農業の形が、これからの時代にどのように貢献していくのか、今後の展開に目が離せません。