新技術で微生物検出
2024-09-26 15:14:16

世界初の微生物検出技術が環境管理に新たな道を開く

世界初の微生物検出技術がもたらす未来



近年、環境問題に対する注目が高まる中、微生物を効率的に検出する技術が求められています。そんな中、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)は、産業技術総合研究所(産総研)および株式会社オンチップ・バイオテクノロジーズと共同で、画期的な技術を開発しました。この技術では、Water-in-oilドロップレット内部に存在する微生物を特定し、その数を検出することが可能です。

1. 技術の背景



この技術の核となるのは、ドロップレット内でのミリオンスクリーニングです。微生物を直径数十マイクロメートルのドロップレット内で培養し、蛍光を利用してそれらの増殖を検出します。こうした手法が登場したのは、微生物の多様性を最大限に活用するために、より多くの微生物資源が求められている現状があるからです。

これまで、微生物の検出は主に細胞自体が放出する自家蛍光や細胞外の物質に反応する化学試薬に依存していました。しかし、自家蛍光は感度が低く、化学試薬による検出では外部からの汚染の可能性があり、これが偽陽性の原因となっていました。今回開発された技術は、微生物の膜成分を特異的に染色する蛍光試薬を通じて、より高感度の検出を実現しています。

2. 技術の成果と実証試験



新技術では、膜染色試薬を使用して、微生物が存在するドロップレットを明確に識別し、分取することができることが実証されました。特に、大腸菌を用いた試験においては、ドロップレット内での培養後に発生する蛍光によって、微生物の存在を効率的に確認することができました。

実際、90%のドロップレットが空の状態であっても、残りの10%に微生物が含まれる場合、この技術を用いれば、微生物を含むドロップレットを100%精確に分取することが可能です。これにより、世界中で初めてドロップレット内に存在する微生物の膜を高感度で検出できる手法が開発されました。

3. 今後の展望



NEDOとオンチップ・バイオテクノロジーズは、今後もこの技術の応用範囲を広げ、さらなる発展を目指しています。特に、バイオものづくりを志向する企業との連携を強化し、各社からのニーズに対して伴走支援を行う予定です。この取り組みは、持続可能なバイオエコノミー社会の実現に貢献することを目指しています。

この技術の一部成果は、2024年10月9日から11日に横浜で開催される「BioJapan2024」NEDOブースで展示されることになっています。現場でのデモンストレーションも行われ、多くの関係者にこの技術の実用性がアピールされることを期待しています。

技術の発展と共に、未来の環境管理や資源探査に新たな視点をもたらすこの技術に、大いに注目したいところです。


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会社情報

会社名
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
住所
神奈川県川崎市幸区大宮町1310番ミューザ川崎セントラルタワー
電話番号
044-520-5207

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