アークエッジ・スペース、JAXAの月測位技術プロジェクトに採択
株式会社アークエッジ・スペース(本社:東京都江東区)が、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の宇宙戦略基金内で進められる「月測位システム技術」プロジェクトの実施機関に選ばれました。このプロジェクトは、月探査とその経済活動のための基盤インフラを構築することを目的としています。
プロジェクトの背景と概要
JAXAが中心となり、NASAやESA(欧州宇宙機関)と連携する「LunaNet」構想の一環として推進される本プロジェクトは、月測位衛星システム「Lunar Navigation Satellite System(LNSS)」の開発を目指しています。このプロジェクトは、2024年11月22日から最長4年の間、最大で50億円の支援を受ける予定です。
アークエッジ・スペースは、第100kg級の超小型衛星を開発し、「月測位ペイロードシステム」「月測位システム実証衛星及び運用システム」「ミッション評価システム」の3つの主要課題に取り組みます。これにより、開発コストを抑えつつ、技術の向上を図り、将来的な月測位システム実証衛星の実現を目指す考えです。
技術の広がり
LNSSは月探査だけでなく、地球低軌道における「低軌道測位衛星システム(LEO PNT)」への応用も見込まれています。月面活動の拡大に伴い、地球のGNSSに相当するリアルタイムかつ高精度な測位サービスが必要とされています。特に、月面でのローバー活動や基地の建設、資源開発を効率的に行うためには、確実性のある測位技術が欠かせません。
国際的な展望
現在、月探査はアルテミス計画をはじめとする国際プロジェクトが活発化しています。2030年代には、新たな探査プロジェクトが見込まれています。月面測位サービスの整備が各国で検討されており、多様化する月面活動を支える基盤として、地球の連携・技術の進展が重要視されています。
アークエッジ・スペースは、JAXAと協力し、月近傍における測位・通信の研究を進めてきました。過去の契約によって、月面活動に必要な通信測位インフラの構築や、初期運用サービスの提供を目指しています。これは、日本の宇宙技術の進展に寄与するものです。
将来の取り組み
アークエッジ・スペースは今後も、月・深宇宙探査技術の向上を図り、その技術を地球周回軌道の事業へと還元していく考えです。また、本プロジェクトの進捗と技術成果については、情報公開を行い、広く共有していく予定です。
アークエッジ・スペースは、未来の宇宙活動を見据えた技術力の向上を進めていき、誰もが手軽に宇宙を利用できる社会の実現に向けて邁進します。