総務省が令和6年度からの生体電磁環境研究に関する提案を採択
総務省が生体電磁環境研究の提案を採択
2023年7月19日、総務省は令和6年度から実施する生体電磁環境研究および電波の安全性に関する評価技術研究に関する提案公募の結果を発表しました。これにより、公共の安全と安心を確保する新たな一歩が踏み出されることが期待されています。
研究の背景
昨今、スマートフォンやWi-Fiなどの普及に伴い、電波が人々の生活に欠かせないものとなっています。しかし、電波の健康への影響に関する不安も広がっており、国民が安心して電波を利用できる環境の整備が求められています。総務省は、このような中で生体電磁環境研究を実施し、電波が与える生物学的影響に関する知見を得ることを目的としています。この研究は、電波の安全性を科学的に評価し、適切な対策を講じるための重要な手段となります。
提案公募の概要
令和6年度の生体電磁環境研究と電波の安全性に関する評価技術研究については、2023年3月19日から5月10日までの期間に提案公募が行われました。今回の公募には5件の提案が寄せられましたが、その中から4件が外部評価を経て採択されました。採択された提案の内容は以下の通りです。
1. 刺激作用に基づく許容電磁界強度導出に関する研究
提案者: 名古屋工業大学、電力中央研究所
2. 電波ばく露に関する標準的な研究手法の確立及び中間周波電磁界の神経毒性に関する研究
提案者: 明治薬科大学、東京都立大学、鉄道技術総合研究所
3. 青少年への電波の影響に関する疫学研究
提案者: 北海道大学
4. 電波ばく露レベルモニタリングデータの取得・蓄積・活用
提案者: 情報通信研究機構、静岡社会健康医学大学院大学
今後の展望
総務省は、これらの提案の実施に向けて、内容の妥当性を確かめ、委託契約を結ぶ準備を進めています。本研究を通じて得られた知見は、電波の安全性に関する基準やガイドラインの策定に役立てられると共に、国民の健康を守るための施策に活かされることでしょう。
電波が与える影響についての理解を深めることは、我々の生活の質向上にも繋がります。総務省は引き続き、研究結果をもとに信頼される電波利用環境の創出に努めてまいります。今後の研究に期待が寄せられます。