老犬の認知症研究
2025-03-17 11:36:20

北里大学とエア・ウォーターが発表した老犬の認知症治療に関する革新的な研究

みかんの皮が導く老犬の認知症改善



最近、北里大学の獣医学部とエア・ウォーター株式会社が共同で行った研究が注目を集めています。この研究では、みかんの皮が老犬の認知症症状改善に役立つ可能性が示されました。近年のペット産業において、犬や猫の飼育数が増加し、特に老犬の健康問題に対する関心が高まっています。平均寿命が延びることで、老犬の認知症が問題視されるようになり、多くの飼い主が夜鳴きや行動変化に悩まされています。そこで、未利用の資源であるみかんの皮に着目し、その効果を探ることになりました。

研究の背景と目的


日本ではペットの飼育数が急増しており、特に15歳以上の高齢犬に関する課題が顕在化しています。認知症に悩む犬たちは、夜鳴きや不安行動を示すことが多く、これが飼い主にとって大きなストレスとなっています。そこで、ではどのようにしてこの課題を解決できるのでしょうか?

北里大学の岩井聡美准教授を中心とした研究チームは、みかんの皮に含まれるフラボノイド成分が老犬の認知症症状に効果があるのではないかと仮定しました。フラボノイドは、植物に自然に含まれている化合物で、抗酸化作用や抗菌作用が期待されることから、犬の健康にプラスの影響を与える可能性があります。

みかんの皮の研究内容


研究の中で、エア・ウォーターはさまざまな収穫時期におけるみかんの皮を利用し、そのフラボノイド成分の含有量を詳しく分析しました。特に注目されたのは、ヘスペリジンとノビレチンという2つの成分です。これらの成分が、実際に老犬の体内でどのように吸収され、腸内細菌にどのように影響を与えるのかを調査しました。

小林英司博士の指導の下、実験用ビーグル犬にフラボノイドを投与した結果、腸内環境が改善され、認知症関連の症状が現実に改善されたケースも報告されました。夜鳴きに悩まされていた老犬に対しても、目に見えた変化があったということです。

この研究成果は、2024年12月25日にスイスの科学雑誌『Metabolites』に掲載されることが決まり、世界的にもその重要性が認められています。さらなる研究が待たれるところです。

今後の展望


この研究は、ただ単に老犬の健康を改善するだけでなく、ペットと飼い主の双方のウェルビーイングを考える上でも意義があります。エア・ウォーターは、機能性ドッグフードの開発を進めており、2025年には全国の動物病院を通じて一般の飼い主を対象にしたモニター募集を予定しています。これにより、実際の効果をさらに検証し、広く普及させることが目標です。

また、和歌山県にある農産物直売所「産直市場よってって」との連携により、農業の廃棄物を減らし、持続可能な社会を目指す姿勢も評価されています。使用されないみかんの皮を活用することで、農家の所得向上にも寄与するでしょう。

まとめ


北里大学とエア・ウォーターの共同研究は、ペットの健康問題に対して新たな解決策を提供する可能性を秘めています。みかんの皮というありがちな廃棄物から、今後も多くの新しい治療法が生まれることが期待されます。ペットとそのオーナーが共に幸せになるための道筋が、今少しずつ切り拓かれているのです。


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会社情報

会社名
エア・ウォーター株式会社
住所
大阪府大阪市中央区南船場2-12-8
電話番号
06-6252-5411

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