SweatWatch® 許可取得
2025-12-10 12:16:48

日本初の汗乳酸モニタリングシステム「SweatWatch®」が薬事承認を取得

新しい時代の到来「SweatWatch®」



このたび、株式会社グレースイメージングは、汗中の乳酸をモニタリングする「SweatWatch®」が薬事承認を取得したと発表しました。このシステムは、心臓リハビリテーションにおける運動療法の処方を支援する重要なツールとして注目されています。特に、心不全患者の治療において、適切な運動負荷を決定するための根拠を提供することが期待されています。

背景にある現状



近年、日本では脳梗塞や心筋梗塞患者の死亡者数は減少傾向にある一方で、これらの疾患から救命された患者が心不全を発症するケースが増えているという皮肉な現実があります。心不全患者の数は2005年時点で約100万人から、2030年には約130万人に達すると推計されています。心不全の再発防止を目指した心臓リハビリテーションは、2013年以降にその実施件数が2倍以上に増加し、2023年には530万件を超えています。医療費も約550億円が投じられるなど、実施の必要性が高まっています。

しかし、心臓リハビリテーションを行うためには、心肺運動負荷試験(CPX検査)での適切な運動負荷量の設定が不可欠です。2011年の調査によると、循環器専門医が運営する施設のうち、呼気ガス分析を用いたCPX検査の実施率はわずか14%にとどまっています。これは、機器が高価格で扱いも難しいため、質の高い運動療法が提供できていない可能性を示唆しています。

「SweatWatch®」の特徴



「SweatWatch®」は、心不全患者に対して大きな負担をかけず、かつ手頃なコストで運動負荷を適切に設定することができる新しいシステムです。この装置は、医療現場における運動療法の質を向上させ、普及を後押しする役割を果たすと期待されています。また、汗中の乳酸を測定することで、患者の運動耐容能が評価され、リハビリテーションの効率が高まる可能性があります。

今後の展望



「SweatWatch®」は2025年12月3日に承認を受けており、今後は保険適用と市場投入に向けた準備が進められることが予想されます。これにより、さらに多くの心不全患者がこの恩恵を受けられるようになるでしょう。心臓リハビリテーションの普及とともに、患者の生活の質が向上し、再発のリスクを減少させることが可能になるのです。

おわりに



心リハビリテーションは、心疾患のある患者にとって欠かせない治療法です。その質を向上させる「SweatWatch®」の登場は、国民の健康を守る新たな武器となることでしょう。今後の展開に注目が集まります。


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会社情報

会社名
株式会社グレースイメージング
住所
東京都新宿区信濃町35番地慶應義塾大学信濃町キャンパス2号館9F CRIK信濃町N7
電話番号
03-6671-8051

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