再生医療の革新
2024-09-24 15:17:37

再生医療の新時代を切り開く、由風BIOと日立ハイテクの共同研究

再生医療の新時代を切り開く共同研究



沖縄を拠点に活動している由風BIOメディカル株式会社(以下、由風BIO)と、国際的に展開する日立ハイテクグループが、再生医療分野において「迅速無菌試験」技術に関する共同研究を始めました。この取り組みは、再生医療の質を向上させ、患者への細胞薬投与のスピードを加速させることを目指しています。

再生医療における無菌試験の重要性


再生医療では、患者から採取した検体が細胞培養加工施設で処理され、その結果として得られた細胞薬を使用します。細胞薬は、特定細胞加工物として患者に投与されるため、その安全性は極めて重要です。無菌試験、エンドトキシン試験、マイコプラズマ否定試験といった安全性試験が行われ、すべて陰性であることを確認しなければなりません。

特に無菌試験は、結果が出るまでに最大で2週間を要するため、迅速に治療を行う必要がある患者にとっては大きな課題となっています。また、医療現場においても安全な再生医療を提供するために、無菌試験の実施がますます重要視されています。

共同研究の目的と進捗


由風BIOは、再生医療等の安全性の確保に関する法律に基づく特定細胞加工物製造許可をすでに取得しています。このことにより、さまざまな症例に対する細胞薬を提供する準備が整っています。

一方、日立ハイテクサイエンスは、迅速高感度な検査が可能な微生物迅速検査装置「Lumione® BL3000」をもとに、この研究に参加。BL3000は、医薬品や食品、化粧品などの検査でも実績があり、その性能を新たな分野にも適用しています。

この共同研究では、ATP法を取り入れた新たな無菌試験技術の確立が目指されており、細胞薬や検体に対しても高感度の無菌試験を行うための研究が進められています。具体的には、日立ハイテクグループが試薬やプロトコルを開発し、由風BIOがその実施を担当する体制が築かれています。

研究の展望


この研究の期間は2024年7月1日から2025年6月30日までの1年間で、目標は24時間以内に無菌試験を完了させる検査試薬とプロトコルを実証することです。将来的には、由風BIOがこの成果を自社の無菌試験に取り入れ、日立ハイテクグループとの協力による検査事業の新たな展開が期待されています。

この共同研究によって、再生医療の安全性が一層向上し、多くの患者に対して心強い治療が提供されることになるでしょう。由風BIOと日立ハイテクの協業がもたらす新たな医療の形に、今後も目が離せません。

会社概要


由風BIOは2020年に設立され、再生医療事業と体外医薬品開発を手がけるバイオベンチャーです。日立ハイテクサイエンスは、分析機器や医用分析装置の開発を行う日立ハイテクの子会社で、多様な分野で研究・開発を支えています。

関連情報として、両社のウェブサイトや今回のプロジェクトに関する詳細が紹介されています。また、両社へのお問い合わせ先も明示されており、関心のある方は直接連絡を取ることが可能です。


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会社情報

会社名
由風BIOメディカル株式会社
住所
沖縄県うるま市州崎12-75沖縄健康バイオテクノロジー研究開発センター105
電話番号
098-923-3683

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