株式会社ispaceが展開するミッション2「SMBC x HAKUTO-R VENTURE MOON」において、成功的な進展がありました。最近、管制室との安定した通信が確立し、RESILIENCEランダーの姿勢も安定したことが確認されました。これは、ミッションの重要なマイルストーンであるSuccess 3の達成を意味します。
RESILIENCEランダーは、2025年1月15日にSpaceX社のFalcon 9ロケットによって打ち上げられました。打ち上げ後、ランダーはすぐに管制室との通信を始め、姿勢の安定性と軌道からの安定的な電力供給の確認が行われました。これは、後続のマイルストーンSuccess 4の達成に向けた重要なステップです。
代表取締役のコメント
ispaceの代表取締役CEOである袴田武史氏は、通信の確立と姿勢制御、電力供給の成功を受けて、「安定した航行状態を確立することにまずは成功しました。今後、初回の軌道制御マヌーバに向けて準備を進めます」とコメントしました。これは、以前のミッション1での得た知見を活かし、準備を整えるという決意の表れでもあります。
ミッション2の進行状況
ispaceは、ミッション16の目標達成に向けて、10のマイルストーンを設定しています。このマイルストーンは、各段階の達成状況を明確にし、進捗を評価して次に活かすための重要な基準となります。進捗状況については、随時公開される予定です。
搬送するペイロードについて
ミッション2で運ばれるペイロードは、特に注目を集めています。特に高砂熱学工業の月面用水電解装置や、ユーグレナの自己完結型食料生産モジュール、台湾の深宇宙放射線プローブなど、多彩なプロジェクトが搭載されています。さらに、ispaceの欧州法人が開発したマイクロローバーや、スウェーデンのアーティストによるムーンハウスも含まれています。
また、人類の言語と文化遺産を保護するユネスコのメモリーディスクも搭載されており、今後の活用が期待されています。
ispaceのビジョン
株式会社ispaceは、「人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ」のビジョンのもと、月面資源開発に注力している魅力的な宇宙スタートアップ企業です。日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点に展開し、約300名のスタッフが活躍しています。2010年に設立され、Google Lunar XPRIZEレースでも注目を浴びました。ispaceは、民間企業が月でビジネスを行うための道を開くことを目指し、月面探査車や小型のランダーの開発に取り組んでいます。
HAKUTO-Rプログラムについて
HAKUTO-Rは、ispaceの民間月面探査プログラムで、独自のランダーとローバーを活用し、月面での各種実験を行います。このプロジェクトには、三井住友銀行などの企業がパートナーとして参加しており、月市場へのさらなる進出を狙っています。ミッション1で得られた成功と知識は、ミッション2、さらには3、6に至るまでの進展に活かされる設計となっており、NASAのアルテミス計画への貢献が期待されています。