住民避難支援サービス「ニゲドキ」がついに始動
自然災害が頻発する昨今、NTTアドバンステクノロジ株式会社(以下NTT-AT)が、住民避難支援サービス「ニゲドキ」のトライアル提供を2024年7月22日から開始することが発表されました。このサービスは、災害時の避難行動を促すもので、その目的は「逃げ遅れゼロ」達成。国土交通省が推奨する「マイ・タイムライン」に基づいたパーソナライズされた避難通知を提供し、各個人に合った避難タイミングをお知らせします。
「ニゲドキ」の特徴
「ニゲドキ」は、登録した自宅や職場、実家などを基に、危険度が高まった際に避難のタイミングを通知します。利用者はスマートフォンや戸別受信機からその情報を得ることができ、特に高齢者やスマートフォン操作が不得意な方でも安心。これにより、情報の受け取りに支障をきたすことはありません。
さらに、マイ・タイムラインは直感的に操作が可能で、登録も容易です。ユーザーが自分に適した避難行動について考えやすくなり、実際の避難時にも必要な判断が行いやすくなります。加えて、作成したマイ・タイムラインは印刷が可能で、通信不良やスマートフォンの充電切れの際にもバックアップとして利用できます。
災害に備える意義
近年の自然災害は年々その規模が拡大しており、過去10年間では約98%の市町村で何らかの水害や土砂災害が発生しています。絶え間ない災害への備えが求められ、自治体は住民への避難呼びかけを行っています。しかし、避難情報があっても住民が行動に移さない場合が多く、避難を促進する必要性が増しています。「ニゲドキ」は、そのような問題を解決するために開発されました。
提供の背景と目的
多くの自治体が直面する共通の課題として、「避難情報を発信しても住民が避難しない」「危険の度合いが十分に伝わらない」という声が上がっています。主な理由は、避難情報が「他人事」として捉えられてしまうこと、避難時の具体的な行動が不明であること、最新の情報が不足していることにあります。これらの課題の解決を目指し、「ニゲドキ」は個々の状況に応じた情報を提供し、住民の防災意識を高めるプラットフォームとなることを目指しています。
トライアルの実施とフィードバック
「ニゲドキ」のトライアルは、合計で無償提供され、自治体職員は自身のスマートフォンを使って機能を試すことができるほか、講習会も開催され、実際に体験する機会も提供されます。トライアル終了後には、機能の有効性や操作性に関するフィードバックを集め、その結果を基にサービスのブラッシュアップが行われます。
このように、「ニゲドキ」は単なる避難支援にとどまらず、地域全体の防災力を高め、安心・安全な暮らしを実現するための重要な取り組みとなるでしょう。本サービスの普及によって住民が自らの安全を確保し、地域としての危機管理能力も向上させることが期待されます。
まとめ
自然災害への備えは、私たちの日常に必要不可欠です。「ニゲドキ」は、技術の力を借りて個人の避難行動を支援し、避難促進活動における自治体職員の負担軽減を図ることで、より安全な地域社会の実現に向けて力を尽くすことでしょう。今後も「ニゲドキ」から目が離せません。