金融庁主催、日本IFIARネットワーク第9回総会の成果と今後の展望

日本IFIARネットワーク第9回総会の成果

令和7年5月29日、日本IFIARネットワークの第9回総会が金融庁内の会議室にて開催されました。数名の参加者がオンラインでの出席も交えながら、重要な議題に関する意見交換を行いました。この総会では、最近の企業開示や監査に関する動向を中心に議論が展開され、特に監査法人とさまざまなステークホルダーとのコミュニケーションの重要性が強調されました。

監査の実務に関する重要なポイント

ステークホルダーとのコミュニケーション

監査法人と投資家などのステークホルダーが適切にコミュニケーションを図ることで、監査の品質向上が期待されます。特に、大手監査法人はガバナンスコードに従い、透明性のある対話を進める必要があります。しかし、現状では多くの監査法人がこの対話の効果を公開することが少ないという課題があります。これに対処するためには、中小監査法人も含め、対話の重要性を理解し、積極的に関与することが求められます。

投資家の視点の重要性

投資家の視点を取り入れた監査に対する検討も重要です。運用担当者の知見が長期的なリスクを考える際に大切です。特にサステナビリティ情報などの開示に伴い、投資家の関心が高まる傾向があります。これを踏まえ、テーマを絞った対話が必要とされます。

テクノロジーの活用

近年、テクノロジーの活用が進む中、特に生成AIの存在が強調されました。監査法人におけるデジタルトランスフォーメーション（DX）は、業務効率を向上させる一方で、データの機密性やバイアスなどのリスクも内包しています。このため、監査チームはしっかりとしたトレーニングを受け、ガバナンスを構築することが不可欠です。AIによる財務報告プロセスの活用は、新しい可能性を広げる一方で、リスクマネジメントの観点からも注意が必要です。

総会では、監査法人による新たな取り組みや、IFIARが目指す役割についても議論が交わされました。日本の出席者は、国際基準に基づく監査の精度向上や透明性の確保が、今後ますます重要になると認識しています。

未来に向けた展望

サステナビリティ情報やガバナンスの議論が進む中、IFIARネットワークを通じた意見交換は引き続き重要です。各ステークホルダーの協力によって、情報の透明性と監査の品質を共に向上させることが期待されます。

今後も、金融庁を中心に、監査の実務や報告エコシステムの整備が進むことで、日本における会計監査への信頼性がより一層向上することが望まれます。