シニア世代の運動に関する意識調査
公益財団法人日本ヘルスケア協会の生き活きライフ(フレイル対策)部会が実施した「シニアの運動に関する意識調査」が注目を集めています。この調査では、全国の65歳から79歳の312名を対象に、シニア世代の運動習慣や健康に対する意識を探りました。調査結果から、多くのシニアが筋力の低下を実感していることが明らかになりました。
調査の概要と結果
調査は2024年6月26日から27日にかけてインターネットを通じて行われ、参加者からはさまざまな運動に対する意識が聞かれました。結果として、特に男性に関しては運動を行っている人と全くしていない人の二極化が見られ、自覚なく運動をしている人も多いという実態が浮き彫りになりました。例えば、43%の参加者が「ほとんど運動していない」と回答し、一方で36.5%が週4日以上運動しているとのこと。家事などによる日常的な活動が運動と見なされていることも判断の余地を持たせています。
運動の目的と筋力の維持
参加者によると、運動の主な目的は「健康維持」で91.9%がこの意識を持っており、次に「筋力を高めるため」が41.6%という結果でした。また、運動を通じて維持したい筋力の部位については、脚(90.1%)や体幹(65.4%)が上位に上がりました。この傾向からも、日常生活を送る上での下半身の重要性が理解できます。
筋力の低下を実感するシニアたち
驚くべきことに、約91%以上のシニアが何らかの形で筋力の低下を感じたことがあると回答しています。具体的には、「思っていたより動けなかった」(48.6%)、「すぐ疲れるようになった」(43.6%)といった意見も多数あり、加齢による体の変化についての認識が強いことが示唆されています。このように、多くのシニアが「自分の足で歩き続けたい」と願いながらも、十分な運動量を確保できていない現状を浮き彫りにしています。
有酸素運動と無酸素運動のバランス
実施したい運動としては、67.9%が「ウォーキング」を挙げ、56.4%が「ストレッチ」を実施したいと考えていますが、筋力トレーニングに関しては37.2%にとどまっています。運動維持のためには、有酸素運動だけでなく無酸素運動の重要性も強調されています。
フレイル予防への取り組み
フレイルを防ぐためには、筋肉量を維持・向上させることが不可欠です。生活の中で無理なく運動を取り入れることが推奨されています。家事や軽い体操を続けることにより、身体活動を増やし、さらに週2日から3日間の筋トレも行うと良いでしょう。また、最近注目されている「レモンマートル抽出物」を利用したサプリメントも効果的とされています。
日本ヘルスケア協会の又平芳春氏は、「日常生活の運動とともに、有酸素運動や筋トレを組み合わせることで、フレイル対策に役立てられる」と語っています。サポートを受けながら、適切な食事や運動を心がけることが健康寿命の延伸につながります。さらに、運動のしすぎには注意が必要で、体に負担がかからない範囲での活動を心がけることが大切です。
まとめ
本調査は、シニアが健康維持や筋力向上を求める中で、運動がいかに重要かを示す結果となりました。運動はもちろん、食事やサプリメントを上手に組み合わせて、より良い健康維持ライフを実現するための考えを持つことが求められます。