福島の太陽光熱利用
2024-09-20 15:15:50

IHIが福島で実証した太陽光エネルギーの熱利用システムの進展

IHIが福島で太陽光発電を有効活用



IHI株式会社が開発した再エネ熱利用システムは、福島県相馬市にて実証運転を行っており、従来廃棄されていた余剰の直流電力をカーボンフリーな蒸気として有効利用することに成功しました。このシステムは、余剰電力を低コストで熱エネルギーに変換する技術(P2H:Power to Heat)を用いており、カーボンニュートラル社会を実現するための重要なステップとなります。

太陽光発電の現状



太陽光発電は、日照条件に影響を受けやすく、余剰電力の発生が避けられません。この余剰電力をいかに有効に活用するかが、再生可能エネルギーの普及における大きな課題です。IHIは、この課題を解決するために新たなシステムを構築したのです。

再エネ熱利用システムの特長



この再エネ熱利用システムには以下のような特徴があります。

1. 低コストでカーボンフリーなエネルギー生成:太陽光発電で得られた直流電力を、蓄熱式ボイラでカーボンフリーの蒸気に変換、蓄熱します。これにより、無駄なくエネルギーを利用可能になります。
2. 効率的なエネルギー供給:定格を超えて発電された直流電力も無駄にすることなく、全てを蓄熱し活用します。この効率の良さが、システムの大きな強みです。

実証運転の成果



相馬市下水処理場では、年間最大240kWの交流電力を利用しています。ここに300kWの自家消費型太陽光発電所と200kWのパワーコンディショナーを設置し、電力融通を図っています。また、IHI検査計測が製造した蓄熱式電気ボイラ「蒸気源」を利用して、最大189kWの直流電力を蓄熱できる体制が整っています。

本年度4月の実証運転スタート以来、すべての発電電力を有効活用することに成功し、安定した運用が確認されています。6月の利用実績では、交流電力で23,160kWh、直流電力で11,860kWhが利用されました。特に、最大250kWの利用が記録された時間帯もあることがデータから明らかになっています。

未来への展望



こうした自家消費型の太陽光発電設備は、今後の市場拡大が期待されています。再エネ熱利用システムにより、余剰電力の活用が新たな解決策として浮かび上がっており、再生可能エネルギーの普及率向上に寄与することが見込まれています。

IHIは、カーボンニュートラル社会の実現に向け、地元での再生可能エネルギー利用を推進しています。このシステムの普及は、電気と熱を併用する需要者にとって大きな利点をもたらします。今後もIHIは、さらなる技術革新と社会実装を進めていく所存です。

用語解説



  • - パワーコンディショナー(PCS):直流電力を交流電力に変換する機器で、太陽光発電所では必要不可欠な存在です。
  • - 蓄熱式電気ボイラ「蒸気源」:安価な交流電力を使って熱を蓄え、高需要時に利用する装置です。本システムでは、軽微な改修により直流・交流両方の電力を活用します。


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会社情報

会社名
株式会社IHI
住所
東京都江東区豊洲三丁目1-1豊洲IHIビル
電話番号
03-6204-7800

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