宿毛市が未来投資型寄付「宿毛ID」で課題解決へ

高知県宿毛市「宿毛ID」導入の意義

高知県の宿毛市は、全国でも珍しい試みとして「宿毛ID」を導入しています。このシステムは、市民がマイナンバーカードを使って公共施設などでポイントを貯め、そのポイントを地域の事業への寄付にあてることができます。1回目の寄付メニューとして選ばれたのは、駅前公園に設置される津波避難タワーに対する公衆無線Wi-Fiの整備です。これにより、地域の安全や利便性が向上すること期待されています。

課題の解決に向けた取り組み

宿毛市は、人口の減少や少子高齢化といった課題に直面しており、これを解決するためにICT技術の導入を進めています。特に、マイナンバーカードの普及に力を入れており、その結果、交付率も全国的に高水準となっています。宿毛市は、高知大学やNTTコミュニケーションズと連携し、地域のブランド化と消費者幸福度の向上を目指す研究を行っています。

「宿毛ID」の詳細

「宿毛ID」は、市民が利用する公共施設でマイナンバーカードを会員証として活用することができ、例えば図書館や公立保育園でポイントを貯めることができます。このシステムは、利用履歴をデータプラットフォームに集約し、地域の政策立案にも役立てることができます。これにより、宿毛市はデータに基づいたより良いサービスを提供し、地域全体の幸福度を高めることを目指しています。

未来投資型寄付の意義

この「未来投資型寄付」は、宿毛市民が「宿毛ID」で集めたポイントを使って、自ら提案した政策に寄付できる仕組みです。市民の意見を直接政策に反映させることで、地域の人々のニーズに応じたサービスを実現します。これにより、寄付が目標に達した場合には市が事業を実施することができ、実質的な改善策を迅速に進めることができます。

教育機関と企業の役割

高知大学は、地域のニーズに忠実にデジタル化を進めるための知見を提供し、NTT Comはこのシステムの構築とデータ処理基盤を提供しています。市は「宿毛ID」の普及を進めることで、地域のデジタル化を加速させることが期待されています。これらの連携により、宿毛市は「より良いまちづくり」を推進しています。

今後の展望

宿毛市では2024年度に、マイナンバーカードを通じたコミュニティバスの乗降位置情報の収集を実施予定です。これにより、乗降データを分析し、最適な経路を検討することが可能となります。さらに、「宿毛ID」サービスが全国的なモデルケースとして評価され、他の自治体への導入も視野に入れています。

わずか5か月で1,100人以上が「宿毛ID」に登録。2024年2月末から始まる本サービスの拡張により、さらなる市民参加を促し、地域幸福度の向上に寄与することが期待されています。

宿毛市は、デジタル技術を駆使しながらも、地域住民の意見を尊重した行政を進めることにより、持続的な発展を続けていきます。