CO2固定化舗装
2025-09-11 16:34:54

茨城県鹿嶋市で実現したCO2固定化アスファルト舗装の取り組み

茨城県鹿嶋市での画期的なアスファルト舗装



出光興産株式会社と日本道路株式会社が共同で行ったアスファルト舗装工事が、茨城県鹿嶋市で実施されました。この工事は、なんと国内の一般道路で初めて、CO2を固定化した合成炭酸カルシウム「カルカーボⓇ」を配合したアスファルト舗装の実証施工となります。

このプロジェクトのはじまりは、多くの産業が直面する環境問題への対応からです。特に、排ガスによるCO2の排出は深刻な課題となっています。出光興産は、ボイラーの排ガス中からCO2を集め、これを再利用する技術を開発。これにより、通常のアスファルト舗装材に使われるフィラーの代替として「カルカーボⓇ」を活用することができるのです。これにより、約200kgのCO2を道路に固定化し、廃棄物の有効利用も図っています。

施工されたのは鹿嶋市の市道0201号線で、老朽化した約400㎡の区域の一部、約200㎡に「カルカーボⓇ」を配合したアスファルトが使用されました。これにより、道路の質を向上させると同時に、環境への配慮も行えるという一石二鳥の成果が出ています。

環境への貢献とその技術的背景



「カルカーボⓇ」は、製造過程において電柱や基礎杭などから発生するコンクリートスラッジと、ボイラー排ガス中のCO2を組み合わせて作られます。このカーボンリサイクル技術によって製造されるカルシウムは、より持続可能な社会を実現するための強力なツールとなるでしょう。

この「カルカーボⓇ」を使用することで、従来のフィラー材料である粉砕石灰石からの廃棄物の削減にも役立っています。これは、環境への負担を軽減するだけでなく、持続可能な資源の利用促進にも寄与します。実際の施工状況を見ても、この新しい技術が持つ可能性は大きいと感じることができます。

出光興産は、以前にも千葉事業所や北海道製油所で試験舗装を行ってきましたが、鹿嶋市での今回の施工は、出光の道路維持管理サービスを活用して、効率的な道路保全への第一歩とも言えます。この新たな試みは、AIを活用した道路損傷検知技術との連携により、さらなるインフラ管理の効率化を進めることが期待されています。

今後の展望



出光と日本道路は、こうした取り組みを進めることで、カーボンニュートラル社会の実現を目指しています。特に「カルカーボⓇ」の施工拡大に加え、道路維持管理の質の向上や他の地域への普及も期待されます。これによって、多くの地域で環境改善に寄与し、持続可能な社会の構築が進むことでしょう。

鹿嶋市でのこのプロジェクトは、単なる施工にとどまらず、より広い視野での持続可能性の確保にもつながります。今後も、出光興産と日本道路がどのような新しい取り組みを行っていくのか、その動向に注目が集まります。何より、このような挑戦を通じて、地域社会や環境にとって有意義な結果が実現されることを期待したいです。


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会社情報

会社名
出光興産株式会社
住所
東京都千代田区大手町1-2-1
電話番号
03-3213-3115

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