新たな融資制度とその評価方法についての金融庁の取り組み
令和7年7月2日、金融庁は企業価値担保権付き融資や事業性融資に関する新たな制度の概要を発表しました。この取り組みは、企業が持つ価値を担保にした新しい融資方法を評価し、推進していくためのものです。
1. 新たな融資の背景と目的
日本の経済環境は急速に変化しており、企業が安定した成長を遂げるためには、柔軟で効果的な資金調達手段が必要です。その一環として、金融庁は企業価値担保権を確立することにより、企業が所有する価値を有効活用できる仕組みを整えています。これにより、企業の信用力を高め、事業の持続的な成長を支援することが狙いです。
2. パブリックコメントの結果
この新制度案に関して、金融庁は広く意見を募集しました。以下は、募集した意見数と期間の概要です。
- 意見数: 25件
- 募集期間: 令和7年4月28日~5月28日
- 意見数: 18件
- 募集期間: 令和7年4月30日~5月30日
多くの意見が寄せられ、事業界からの関心の高さが伺えます。コメントの内容は、金融庁にとって今後の行政進化の参考にされる予定です。
3. 各制度案の概要
企業価値担保権付き融資の評価
この案では、企業価値担保権の評価や引当の方法について、金融機関が自己査定や投資判断を行う際の指針が示されます。特に、不動産担保と同様に、企業が持つ価値をどのように評価するかが重要な議論のポイントとなっています。
企業価値担保権が一般担保として扱えるかどうか、またそれと無担保と何が異なるのか、という問題に対する金融庁の姿勢が示されています。これは、企業が参入しやすい融資環境を整えるための重要な要素です。
事業性融資の推進等に関する法律施行令
この令は、企業価値担保権信託の運用において、必要な業務内容や登録の申請に必要な情報を整理するものです。具体的には、以下のような内容が含まれます。
- - 不特定被担保債権の留保額の算定方法の確立
- - 企業価値担保権信託会社が行える兼業業務の範囲
- - 登記申請における必要情報の整理
4. 施行日と今後の方針
新しい制度に関する各種方針は、令和8年5月25日から段階的に施行されます。この日付は、制度が具体的に実施される重要な日となります。
金融庁は、企業の発展を滞りなく支えるため、この新たな制度を実行に移し、国の金融行政の充実を図ると共に、企業が市況に適応できるような支援を続けていく考えです。
この動きは、企業が持つ資産の価値を最大限に引き出すことを目的とし、日本の経済成長に寄与することが期待されています。また、これにより企業の資金調達の選択肢が広がり、より多様な融資環境が整うことになります。今後の議論に注目が集まるところです。