東京大学とNECが進める次世代ネットワークの実証実験
近年、AI技術の進化とともに、様々な分野でその活用が期待されています。そんな中、東京大学とNECは、「Beyond 5G」の共同研究を進め、AIとロボティクスを融合した次世代ネットワークの実証実験を開始しました。この取り組みは、2040年代の社会課題解決に資する可能性を秘めています。
Beyond 5G価値共創社会連携講座
東京大学大学院工学系研究科とNECは、共同で「Beyond 5G価値共創社会連携講座」を設立。ここでは、次世代ネットワークの技術を利用し、新たな実証を行っています。特に注目されるのは、文部科学省が提唱する「フィジカル・インテリジェンス」をテーマにしたユースケースの検証です。
フィジカル・インテリジェンスとは?
フィジカル・インテリジェンスは、AIと機械(ロボットやIoT)が高度に連携し、物理的な動作を可能にするためのシステムです。これにより、AIが現実の世界での動作ができるようになり、膨大な情報をリアルタイムで処理・還元することが可能となります。特に、自然災害や人口減少といった社会課題に対し、解決策を提供することが期待されています。
実証実験の内容
今回の実証実験では、ロボットが人を先導しながら重い荷物を運ぶシナリオが設定されました。ロボットは、AI分析を通じて周囲のセンサー情報を収集し、その結果を基に行動します。具体的には、AIが搭載されたカメラを通じて映像品質をリアルタイムで最適化。そのデータを通信ネットワークが適切に管理し、必要な情報を適時に通知します。
また、ロボットが利用者の行動を予測し、周辺の危険を察知する機能も実証されています。これにより、交差点での危険を事前に察知し、利用者に通知。特に子供や高齢者といった脆弱な立場にいる方々の生活をサポートすることが目指されています。
今後の展望
東京大学とNECは、次世代ネットワークの技術を活用することで、社会課題の解決に貢献するユースケースをさらに追求していく考えです。Beyond 5Gの社会実装に向け、今後も技術の進化を進め、通信事業者や多様な産業パートナーとの協力を強化しながら、次世代ネットワークの実用化に向けた研究・開発を行っていくでしょう。
このような取り組みを通じて私たちの生活に新たな価値を提供し、未来へとつなげていくことが期待されています。