心不全ICTプロジェクト
2024-07-24 17:58:05

心不全ICTモニタリングプロジェクトが経済産業省の支援を受けてスタート

在宅での心不全モニタリングプロジェクトが始動



オムロンヘルスケア株式会社と京都府立医科大学が共同で進めている「在宅における心不全ICTモニタリングプロジェクト」が、経済産業省の令和6年度ヘルスケア産業基盤高度化推進事業に採択されました。このプロジェクトは、ICT技術を駆使し、心不全患者の状態を家庭内でモニタリングしながら医療機関と連携を図ることで、患者の健康管理を支援することを目的としています。

プロジェクトの背景



心不全は、日本の死因の中で第二位を占めており、その患者数は年々増加しています。現在、心不全を抱える患者は120万人を越え、2030年には130万人に達すると予測されています。このような背景から、心不全患者に対する適切な治療と管理の重要性が増しています。しかし、超高齢社会を迎える日本では、医療従事者や病床数が不足しており、「心不全パンデミック」のリスクが増大しています。こうした課題を解決するために、今回のプロジェクトが立ち上がりました。

プロジェクトの内容



本プロジェクトでは、オムロンヘルスケアが提供する心電計付き上腕式血圧計や通信機能付き体重計を使用し、心不全患者が自宅で計測したバイタルデータを医療機関と共有します。これにより、医療従事者は患者の状態をリアルタイムで把握し、必要に応じて介入することが可能になります。このアプローチにより、急激な症状の悪化を未然に防ぎ、再入院を減らすことを目指します。

実施は、京都府立医科大学が中心となり、地元の医療機関と連携した「京都心不全ネットワーク」によって行われます。これまでに行われたパイロット試験では、30人の被験者中1名の心不全増悪を捉え、治療介入に繋がりました。

医療現場での実施



現在、京都府立医科大学附属病院と洛和会音羽病院でのパイロット試験Ⅱが始まっており、医療機関が遠隔で心不全患者をモニタリングするための要件や課題の洗い出しが進められています。この研究結果は今後のサービス改善にも活かされ、より多くの心不全患者への支援を目指します。

最新の技術を駆使した治療



具体的には、オムロンヘルスケアのスマートフォンアプリ「OMRON connect」を活用して、患者のバイタルデータが医療従事者の手に届き、早期の介入を実現します。この技術は、従来の手帳に代わる新しい治療方法として注目されています。心不全患者の日常生活の質(QOL)を向上させ、再入院率と死亡率の低下を目指すこのプロジェクトは、特に高齢化が進む日本において非常に意義のある取り組みです。

未来への展望



オムロンヘルスケアと京都府立医科大学は、今後も心不全モニタリングサービスの社会実装を進め、日本全国の心不全患者に届く改善策を展開する予定です。このプロジェクトが成功すれば、心不全に悩む患者にとって大きな福音となるでしょう。未来に向けて、心不全パンデミックの克服に向けた第一歩が踏み出されたことを報告します。


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会社情報

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