少子化を考える不妊症・不育症オンラインフォーラムの成果と意義

不妊症・不育症に立ち向かうためのオンラインフォーラム

2023年10月、こども家庭庁が主導する「不妊症・不育症のことオンラインフォーラム」が開催されました。このフォーラムは少子化が深刻な社会問題となる中で、夫婦やパートナーが安心して不妊治療に取り組める環境の整備を目的としています。「ふたりで、いっしょに。みんなで、いっしょに。」というコンセプトのもと、さまざまな専門家や妊活を経て出産した安田美沙子さんが登壇し、貴重な知見を共有しました。

妊娠を望む夫婦への支援

フォーラムでは、フリーアナウンサーの登坂淳一さんがMCとして参加し、亀田IVFクリニックの川井清考院長や生殖心理カウンセラーの平山史朗先生らが 전문가の視点で各種トピックを提供しました。特に川井院長の講演では、少子化の要因と不妊との関係について詳しく解説され、不妊治療の保険適用が始まったことの重要性も語られました。

「合計特殊出生率は年々低下しており、少子化の主な要因は婚姻件数の減少や初婚年齢の上昇にありますが、不妊症も確かに夫婦にとって大きな問題です」と川井先生は述べ、治療の早期受診が促進されていることに言及しました。不妊治療における保険の適用により、治療を受ける環境が整いつつある現在、その重要性がますますクローズアップされています。

不妊治療に伴う心のケア

また、平山史朗先生の講演では、不妊治療中のストレスと夫婦間のコミュニケーションの重要性が強調されました。そこでのアドバイスは、夫婦間での価値観の違いを認め合うこと、治療のステップアップ時に不安を和らげるためには正しい知識を持つことが重要であるとのことでした。「正しい情報を持ちつつ、お互いに思いやりを持つことが治療を進める上で大切です」と語る平山先生の言葉を胸に、多くの視聴者が共感を寄せました。

経験者の声

登坂さんからは自身の不妊治療の体験を語り、まず妻から治療が始まることが多いが、男性も精液検査から始まる不妊治療の一員であることを強調しました。「最も大切なのは夫婦が共に取り組むことです」と彼は述べ、協力し合う姿勢の重要性を認識しました。

さらに、安田美沙子さんは自身の妊活の経験を踏まえ、体調管理や仕事との両立の難しさを語りました。「妊娠しやすい身体づくりを心がけましたが、途中、精神的なストレスも大きく影響しました」と彼女は振り返ると共に、周囲の理解を得ることの難しさもあったと打ち明けました。

参加者からの反応

フォーラム内で実施したアンケートによれば、不妊治療中に夫婦関係を良好に保つためには「お互いを思いやる気持ち」が最も重要であるという意見が全体の58％を占めました。安田さん自身もこの思いやりが必要だったと振り返り、コミュニケーションの方法としてメールでの相談に切り替えたことで効果があったとの経験をシェアしました。

未来へ向けて

最後に安田さんは、「もっと早く知識を得られていれば」と語り、子ども時代からこのような情報を学ぶことの重要性を訴えました。川井先生も不妊治療はサポートの場であり、決して恐れる場所ではないと述べ、平山先生は夫婦の絆が強まるチャンスとも捉えることができると力強く締めくくりました。

今回のオンラインフォーラムは、不妊症や不育症に向き合う上での知識の普及と、夫婦が共に支え合っていくことの重要性を再認識する機会となりました。これからもこうした取り組みが広がることを願っています。