ジンジャーエキスがもたらす新たながん治療の光明
2026年に発表された研究が、化学療法を受けるがん患者におけるジンジャーエキス配合の経口栄養補助飲料(ONS)の効果を示しました。本研究は、ネスレ ヘルスサイエンスと徳島大学によって行われ、国際的な学術誌「Clinical Nutrition Open Science」に掲載されました。
化学療法の副作用とその影響
がん患者の約40%が化学療法に伴う悪心や嘔吐に悩まされています。このような副作用は、食事を摂る妨げとなり、結果として低栄養状態を引き起こします。実際、食事が取れないことで症状が悪化するという悪循環が見られることもあり、これは治療の完遂を困難にする大きな要因です。従来の経口栄養補助飲料は飲みにくさから継続が難しいとの声もあり、改善が求められていました。
研究の概要
本研究では、徳島大学病院で行われたランダム化比較試験を通じて、化学療法第1サイクルで悪心を経験した頭頸部がん、婦人科がん、肺がんの75名の患者を対象に検討がなされました。研究は3つのグループに分けられ、それぞれ以下の介入が行われました。
- - ジンジャーエキス配合ONS
- - 標準的乳ベースONS
- - ONS無
介入は化学療法の第2サイクルの開始3日前から7日後まで実施され、効果の評価には悪心スコア(NRSスコア)、体重、筋肉量、嘔吐、QOLなどが取り入れられました。
研究成果
1. 悪心の改善
ジンジャーエキスを含むONS群では、化学療法第2サイクル後の悪心スコアが3.5±1.4と、他のグループに比べて有意に低い結果を示しました。これは患者の吐き気の軽減に寄与していることを示す重要なマーカーです。
2. 栄養状態の維持
ジンジャーエキス配合のONS群では、エネルギーやタンパク質の摂取量が増加し、治療による体重減少や筋肉の損失も抑えられました。このことは、ジンジャーエキスの可能性が示唆される点です。
3. QOLの向上
生活の質(QOL)を評価した結果、ジンジャーエキス配合ONS群において身体的・感情的な面での改善が見られました。患者の精神面や身体面での面でのサポートが強化されたことが評価されます。
今後の展望
ネスレ ヘルスサイエンスは、研究成果を踏まえ、更なる製品開発と患者支援のプログラムを強化していく方針です。
この研究は、がん治療の現場において非常に重要な知見を提供するものであり、ジンジャーエキスを含む栄養補助飲料の導入が患者の生活の質を向上させ、新たな治療の選択肢になることが期待されます。
結論
ジンジャーエキスを用いた新しい経口栄養補助飲料が、化学療法を受けるがん患者にとって大きな助けとなることが示唆されました。今後のがん治療に向けた新たな選択肢としての可能性に、期待が寄せられています。