アルツハイマー病と血液検査
2026-02-13 14:11:31

アルツハイマー病の予測に向けた革新技術─血液検査の新たな希望

アルツハイマー病の予測に向けた革新技術



新潟大学脳研究所の研究チームが、アルツハイマー病(AD)の発症を予測するための革新的な血液バイオマーカー「p-tau217」の有効性を研究しました。このバイオマーカーは、脳内のアミロイドβアミロイド蓄積を高精度で検出できる可能性があり、これにより、ADの早期診断や治療に寄与することが期待されています。

研究の背景と目的


アルツハイマー病は、記憶力の低下をはじめ、さまざまな認知機能の障害が徐々に進行する病気です。診断は非常に難しく、症状だけでは正確な診断が行えないケースが多いのが実情です。最近では、抗Aβ抗体薬の臨床実装が始まったことから、特に脳内のAβ病理を確認する必要性が高まっています。

従来の診断法には脳脊髄液検査やアミロイドPET検査が利用されていましたが、これらは侵襲性が高く、コストもかかるため、より簡便で低侵襲性の方法として血液バイオマーカーの導入が期待されています。

p-tau217の有効性


今回の研究では、富士レビオ株式会社と連携し、多施設による共同研究「J-ADNI」で収集した臨床検体を用いて、血漿中のp-tau217の測定を行いました。具体的には、172名の被験者から血漿中のp-tau217とアミロイドβ42の定量を実施し、これらがADの発症リスクにどのように関係するかを分析しました。

結果として、p-tau217及びその比率であるp-tau217/Aβ42が脳内のアミロイド病理を高精度に検出することが確認され、特にp-tau217が高値だった軽度認知障害(MCI)グループは、ADに進行するリスクが約10倍高まることが明らかとなりました。

これにより、p-tau217がADの予測マーカーとして非常に有用であることが示され、今後の診断方法に革命をもたらす可能性があります。

研究成果の意義


血液バイオマーカーであるp-tau217は、従来の検査方法と比較して、多くの利点を持っています。それは低侵襲性やコストの低さであり、特に患者にとって負担が少ない点が大きな魅力です。また、イムノアッセイ法の進化により、血液中の微量分子を高感度で測定できるようになったこともこの研究のバックボーンとなっています。

今後は、実際の臨床検体を使用したさらなる研究を行い、p-tau217の臨床的有用性が確認されれば、ADの診断方法が大きく進化することが予想されます。その結果、早期診断が実現すれば、適切な治療法の選択も容易になるでしょう。

研究成果の公表と今後の展望


本研究の成果は、医学雑誌「Journal of Prevention of Alzheimer's Disease」に掲載されたことが報告されています。この結果が広まることで、アルツハイマー病の早期発見や治療法の選択に影響を与え、さらには新たな診断薬の開発にもつながることが期待されています。

研究チームは、特に日本人を対象としたデータが限られていたため、この研究を通じて日本人における診断性能を向上させることを目指しています。血漿p-tau217の導入が医療の効率化、そして経済的なメリットをもたらすことが期待されています。

この革新技術は、患者、医療従事者、社会全体に良い影響を与えることでしょう。今後の研究展開にも期待が寄せられています。


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