日常的にプルーンを摂取することで、18歳から25歳の若い女性が経口避妊薬(OC)の使用による骨への影響を軽減できる可能性があることが示された新しい研究があります。この研究は米国栄養学会の発行する『Current Developments in Nutrition』の2023年9月号に掲載されています。
具体的な調査では、OCを使用する若い女性が毎日50グラムのプルーンを1年間摂取し続けたところ、特に橈骨超遠位部の骨密度が有意に増加しました。この部位は、海綿骨が豊富で、骨粗鬆症による骨折のリスクが高いため、骨の健康を保つ上で非常に重要です。
サンディエゴ州立大学の主任研究者であるシリン・フーシュマンド博士は、この海綿骨が存在する部位の健康は骨全体にとって重要であると述べています。また、プルーンが持つ健康効果については明確には解明されていませんが、研究を通じて、プルーンが骨の吸収を抑制する骨細胞、すなわち破骨細胞の活性を低下させる可能性が示されています。
フーシュマンド博士によると、プルーンはミネラルやビタミンK、フェノール化合物、食物繊維など、骨の健康に必要な栄養素が豊富に含まれているため、その摂取が骨密度の維持に寄与することが期待されています。
OCの普及とその影響
アメリカでは、避妊を行っている15歳から44歳の女性の約25%が経口避妊薬を使用しているとの報告があります。このような状況の中で、経口避妊薬の使用が若い女性の骨密度に及ぼす影響が懸念されています。
この新しい研究は、プルーンに関するさまざまな研究の蓄積をさらに強固なものとしました。過去の研究でも、55歳から75歳の閉経後女性において、プルーンの摂取が骨の健康に良い影響を及ぼすことが明らかにされています。
「この研究の結果は、閉経後の女性に加え、骨量減少のリスクが高い若い女性にも及ぶことが示されています。」とフーシュマンド博士は語ります。
この研究は、カリフォルニアプルーン協会の支援により実施されました。研究の設計や実施には協会が関与していませんが、プルーンの骨に対する良好な影響に関しては、さらなるエビデンスを提供することが期待されています。
研究の詳細
この研究は、1年間にわたって実施された並行群無作為化対照試験です。参加者はOC非服用群とOC服用群に分けられ、その中でもプルーンを摂取する群と摂取しない群にさらに分けられました。
結果として、OCを使用しプルーンを摂取した群で、特に利き手ではない腕の橈骨の骨密度が有意に増加したことが確認されました。また、血液中の骨バイオマーカーや骨密度スコアも測定されましたが、OC群とは異なる群間では有意な差は認められませんでした。この研究には限界もあり、使用されたOCの種類や効果やプルーン摂取の遵守率なども影響する要因とされています。
カリフォルニアプルーン協会は、プルーンの生産者と取扱業者を代表する機関であり、これからもプルーンの健康効果についての研究を支持し続ける方針です。最新情報は、協会の公式サイトやSNSを通じて提供されています。